絵は描けないけどモナは欲しい!

その他

113 Res. 22.70205142 MONA 3 Fav.

1 :ウィザード五段錬士:2014/07/08 13:16:44 (10年前)  1.21525514MONA/4人

なろうで作家志望やって作品公開しています。
作品読んで、面白かったらモナください。
感想書いてくれたら0.1モナあげます。
http://mypage.syosetu.com/464887/

感想欄から、できればなろうのユーザーをモナコインのaskとかに誘導できたら幸いです。
感想やプレビューの買収? いいんじゃないですか^^

特例:
1、いっぱいくれたらご希望のキャラや世界設定で何か書きます。 キャラ崩壊注意な
2、0.1モナくれたらかなり本気で感想書きます。お金をもらったらビジネスですしおすし。

2 :neet4vip五段:2014/07/08 19:16:12 (10年前)  0MONA/0人

前にこれやってた人がいたけど、なろうで暗号通貨のアドレス貼ると削除されるって聞いた

3 :ウィザード五段錬士:2014/07/08 19:16:59 (10年前)  0MONA/0人

どうしようまだ見せられる原稿ないんだけど俺がうpした方がいいの。
誰か俺にモナを払わせてくれw
感想書かせろ。ギブミーモナー


4 :ウィザード五段錬士:2014/07/08 19:18:28 (10年前)  0MONA/0人

おうふ一人ごっこになるかとおもてブルブルしてたwww

たぶん削除される前に警告が来ると思われ、そしたらアドレス消す。

5 :ウィザード五段錬士:2014/08/13 09:10:03 (10年前)  0MONA/0人

さてみなさん、モナの相場がダダ下がりになってて歯止めが掛からず熱くなってるみたいなので、ここで一つ怒りの投げ銭を、乞食に投げてくれてもいいんだよ?
wwwwwwwwwww

誰かがプレイしたレトロゲームを、文字に起こして表現してみた/レイフォース
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3857680

6 :ウィザード五段錬士:2014/08/13 21:29:41 (10年前)  0MONA/0人

とりあえず書いたのですが、長いのでnote.muに全文まとめています。
気が向いたらコイン投げてください。あげ


地球に突如生まれた、異形種の楽園。
壁に囲まれた、獣たちの新世界。
かつての人類は、今や知性を手に入れた獣たちに押されて世界の隅に追いやられつつある。
人の栄光は今は昔。
荒れた新世界は獣が支配し、獣は暴力とともに壁を乗り越え世界は確実に獣に飲み込まれつつあった。
力と暴力が支配する荒れた世界に、いつまでも権威にしがみつき力で獣を押さえつけようとする旧秩序派。
彼らに仕え、支配と抑圧を執行する、かつて星を目指していた白い兵士たち。
壁は壊され、未来は砂に埋もれ嵐の元にかき消されようとしている時。
今。
一人の少女とともに、新しい風が生まれようとしている。
https://note.mu/cafe/n/n652b2912b4aa

7 :ウィザード五段錬士:2014/08/14 18:58:49 (10年前)  0MONA/0人

https://note.mu/cafe/n/n652b2912b4aa


 眩しい太陽。
 狭い視界。
 遠くには特大の防御壁が山のようにそびえていて、目を降ろせば大きなポールに、ぱたぱたと汚れた旗が風にたなびいている。
 ここは駅舎の前。イントゥリゲートと呼ばれる広大な荒れ地のど真ん中に作られた中規模の街のその中心地にある、この街唯一の地下鉄用の駅ターミナルだ。
 歴史ある海軍の仕官であるオーシカ・ソノイ少尉は、この見慣れぬ赤い街に着いて目を丸くした。

8 :ウィザード五段錬士:2014/08/14 18:59:45 (10年前)  0MONA/0人

何もない。
初めての戦地で、ここが戦場に一番近い街だったとしても本当に寂れている。
遠くでは軍用の工場が何かを組み立ててカツーン、ゴツーンと音を鳴らしており、オーシカ少尉はぐるりとこの殺風景な駅前を見回して眉をひそめた。
「迎えがいないわ」
誰ともなしに独り言を言い、ふうとため息をついて休めの姿勢のまま背中を曲げる。

「ホントーに、誰もいないのね。いやんなっちゃうわ、これが空軍式のお迎えなの?」
肩に担いだダッフルバッグをすとんと地面に落とし、その落とした衝撃で地面の埃が軽く舞ってソノイの靴に灰色の影を落とした。

9 :ウィザード五段錬士:2014/08/14 19:00:27 (10年前)  0MONA/0人

 ソノイはムッとした。本当に誰もいないのだ。

 誰もいない駅前を、赤い砂埃と共に小さな風がふく。
 すると町並の中の十字路奥から、一台のジープがやってきた。
「ミス・ソノイ少尉ですか」
 幌無しの無骨な軍用車両に乗って、装甲服でガチガチに身を守った見慣れぬ兵士が顔を覗かせてくる。
ソノイはその異様な格好の男に身じろいで、一瞬だけ身を引いた。
「そうだけど」

10 :ウィザード五段錬士:2014/08/14 19:01:08 (10年前)  0MONA/0人

「お迎えが遅くなりました、マム。どうぞお乗りください」
 そう言って白い装甲服の兵士は乱暴にドアを開けて、ハンドルを握ったまままた前を向く。
 荷物を持とうともしないこの無礼な迎えにソノイはムッとしたが、その顔も見えない無口な兵士に違和感を覚えて静かに指示に従った。
 荷物のダッフルバッグを前に抱えて席に乗り込むと、ジープはドアが開いたままでもすぐに発進する。
 ドアが、勢いで乱暴にしまった。
「ねえちょっと!」
「何か質問ですか、マム」
 乱暴に運転を続けられるジープの上で、オーシカは自分の荷物を振り落とされないよう必死に坐席前の取っ手に捕まって身をかがめる。

11 :ウィザード五段錬士:2014/08/14 19:02:31 (10年前)  0MONA/0人

 助手席に座るソノイの右隣、運転席に座る兵士は前方を向きながらそっけなく答えた。
 覆面をするように、フルフェイスの白いマスクを顔面に当てて、首下からはわずかにシュコー、シュコーと呼吸する音が聞こえる。
 ソノイはぞっとした。この、半分機械の体のようになった兵士がこれから自分が寝起きする場所の人間だとは思えなかったからだ。

 ジープはそのままがたごとと街のアスファルト路を走って行き、ソノイは街の様子をガラス越しにみていった。
 街にはいちおうレベルの人影があった。かなりさびれてはいるが、どうやら無人ではないらしい。

12 :名無し四段:2014/08/14 19:38:36 (10年前)  0MONA/0人

自分の事棚に上げた意見感想でもいいん?

13 :ウィザード五段錬士:2014/08/14 20:25:39 (10年前)  0MONA/0人

ありがとうございます。
もちろん大丈夫です。
ちゃんと受け身の構えを取りますので、いろいろ自由に言ってくださると助かります。

14 :syuribox四段:2014/08/14 20:37:31 (10年前)  0.1MONA/1人

作家志望らしいので、とりあえず誤字っぽいの指摘するね
仕官=>仕官/坐席=>座席 (複数回)/対異形生体共用=>対異形生命体用?
醜い顔ぶち当たって=> 醜い顔に/ソノイ眉=>ソノイは眉/擱座下=>擱座した
膜耳=>鼓膜?/それに習って他のクローン=>倣って/一つが手を降って=>振って/
当直室まで賭けだした=> 駆け出した/迎えに着ました=>来ました/私はまだ着たばかり=> 来たばかり/
着いてきた=>付いてきた/何かがった=>何かがあった?/涙目に鳴りながら=>なりながら/
大型スラッグガンをばている=>ばらまいている?/後ろに着いて=> 付いて/膝を着いた=>膝を突く or つく/
手と足が着いている=>付いている/火が完全に着いて=>付いて/その場に残して言ってしまった=>行ってしまった/
それをら=>それらを/砂埃を書き立てて=>掻き立てて?戦地で載っていた=>乗っていた

15 :ウィザード五段錬士:2014/08/14 21:23:24 (10年前)  0MONA/0人

ありがとうございます。直しておきます。
引き続き誤字には気を付けて進行していくつもりです。
読んでくださり、ありがとうございます。

16 :名無し四段:2014/08/14 21:29:32 (10年前)  0.1MONA/1人

何でいうか、自分に酔った書き方をしてると感じた
特に導入部。これじゃブラバされちゃうんじゃないかな?と思いました(あくまで個人的意見です

17 :ウィザード五段錬士:2014/08/14 22:26:13 (10年前)  0MONA/0人

意見をありがとうございます。
意識してみます。難しいですね。

18 :ウィザード五段錬士:2014/08/15 18:55:36 (10年前)  0MONA/0人

遅くなりましたが感想を書いてくれた方にモナを送りました。

かなり書きためているのでこのままうpしていくのですが、良いでしょうか。
イイデスネ。
ダレモイナイ、イマノウチニ……

19 :ウィザード五段錬士:2014/08/15 19:09:33 (10年前)  0MONA/0人

『私たちのイントゥリゲートへようこそ!』

「ちょ、ちょっと運転手!」
「何か質問ですか」
「少しくらい何か話なさいよ! 例えばっ、ここはどこなのかとか、最近何があったのかとか」
「いちいち私が説明しないといけないですか、マム」
耐弾装甲服を着込んで顔も見えない無口な兵士はハンドルを握りながら、指を黒いスーツごとみちっと音を鳴らして握り直した。

20 :ウィザード五段錬士:2014/08/15 19:10:02 (10年前)  0MONA/0人

「お気遣いなく、マム。この町は安全です」
「むっ、そういう質問じゃない!」
コホー、スーと兵士の繰り返す呼吸の音が、装甲服越しに聞こえる。
ガタリとジープが小石を挟んで上下に揺れた。
「私の名前はユウヤです。ナカシマ式クローンの初期型、軍歴は3年、当基地歴も3年です」
「むっ」
「あと私の階級も少尉です、マム」
クローンを名乗る装甲服の兵士はまっすぐ前を向きながら、ハンドルを動かした。

21 :ウィザード五段錬士:2014/08/15 19:10:26 (10年前)  0MONA/0人

 次第に町並が変わっていきジープは軍の基地正門に到着した。
 相変わらず町の様子は殺風景だが、正門にいる人の数は町並にいた人たちよりもだんぜん数が多かった。
 ただし、いるのは皆白い服を着ていた。
「身分証明書を見せてください」
 白いマスクに、ユウヤと名乗ったクローンの兵士とまったく同じ服装の兵士が銃を持ってジープを覗いてくる。
 ソノイをこの基地まで連れてきた兵士は肩の肩章を見せると、歩哨の兵士はコードリーダーを手に持ってピッと鳴らす。

22 :ウィザード五段錬士:2014/08/15 19:10:53 (10年前)  0MONA/0人

 ソノイは振り返って、この基地が尋常でない雰囲気である理由を知った。
 正門前で戦車を洗っているも兵士も、今肩章から読み取ったデータを読んでいる歩哨も、片足を失って杖をついている兵士も、みんな同じ服装をしていた。
 ソノイはゾッとして車の中で身をすくませる。
「お帰りなさい、少尉」
「……えっ?」
「今日からここが貴女の家です。そこで提案なのですが」
 ナカシマユウヤ少尉が身分証を歩哨から受け取りながら、黒いスコープ付きのマスクでソノイを振り返った。

23 :ウィザード五段錬士:2014/08/15 19:11:34 (10年前)  0MONA/0人

「私たちの基地とその周辺を知ってもらうために、少し軽めのオリエンテーションをしたいと思います。A案とB案とC案、どれがいいですか?」
 無機質なマスク越しにユウヤは言うと、黒いグローブと装甲服の籠手ごしにソノイを指さした。
 不気味な無表情にさえ見える白い装甲と兵士の顔を向けられ、ソノイは荷物を抱きしめてジープの席に背を押しつけた。
「えっえっ、おっオリエンテーション?」
 ソノイは背中の筋に、つーと冷たい汗が流れたような気がしてぶるっと身を震わせる。
「そうオリエンテーション」
「は、配属先の責任者に挨拶に行かないと」
「これは大隊長からの命令です、マム」

24 :ウィザード五段錬士:2014/08/15 19:12:06 (10年前)  0MONA/0人

 装甲服の兵士は不気味な覆面を外さずに、黒い目を揺らしながらソノイに語りかけた。
「この基地に初めて来るソノイ少尉を歓迎しろと。我々クローンは、貴女を歓迎します」
 野太く低い不気味な声で、兵士は顔を傾けながら笑うこともなくソノイを見つめる。
 たらっと、冷たい汗が背中から腰のベルトに浸透して、そのまま新しい汗がどっどっどと噴き出てくる。
 ソノイは後悔した。やっぱり、こんな戦争頼まれても来るんじゃなかったと。

25 :ウィザード五段錬士:2014/08/16 22:37:30 (10年前)  0MONA/0人

 | \
   | ノノノノ
   |( ゚∋゚)  ・・・。
   |⊂ソ

26 :ウィザード五段錬士:2014/08/16 22:38:20 (10年前)  0.1MONA/1人


フロムサテロイドミッション~基地外周を歩くオリエンテーション~
赤い空の元、耳障りなサイレンが基地中に鳴り響く。
海軍仕官の制服を着て、ダッフルバッグを肩にかけるソノイ・オーシカ少尉は正門前で呆気にとられていた。
赤い夕日が、背中からソノイ少尉を照らす。
「今から貴女には、基地を一周してもらいます」
同じく夕日の光を受ける傷だらけの耐弾装甲服を着た、クローン兵士を名乗るユウヤ少尉は鉄仮面を傾けた。

27 :ウィザード五段錬士:2014/08/16 22:38:45 (10年前)  0.1MONA/1人

 男は車を降りると、同じようにソノイにも車を降りるよう指で合図した。
「……は?」
「唐突で申し訳ありませんが、これも部隊長の命令なのですマム」
 野太く低い声のクローンユウヤはそう言うと、まったく申し訳なさそうな顔をせずに顔をソノイ少尉へと向けた。
「なにせ、オリエンテーリングですから。それに時間もありません。目標は、一時間以内に基地外周を通る道を歩いて貰うこと。先導は、私がしますマム」
「ちょっと待って時間ってなに。その前に少尉、まだ私の質問にぜんぜん答えて貰ってないわよ」

28 :ウィザード五段錬士:2014/08/16 22:39:07 (10年前)  0.1MONA/1人

「質問とはなんですか」
「さっき言った質問よ!」
 ソノイはイライラした様子で、この不気味で妙な白いクローン兵士に指を突きつける。
「この基地に着く前から、何かおかしいと思ってたのよ。クローンってなに? それにあなた少尉でしょ? なんで私にそんなに命令するの?」
「今ここでお話しできることはありません、マム」
 そういうとクローン兵士のユウヤは、同じくクローンから見たこともない巨大な銃を受け取って、そのままゴーストソノイに投げ渡してきた。

29 :ウィザード五段錬士:2014/08/16 22:39:37 (10年前)  0.1MONA/1人

 慌てて投げられた銃を受け取り、きつい目をしてクローンを振り返る。
「これが、この基地の人たちの歓迎の仕方なのねっ」
「今後、貴女と私はペアを組みますマム。当基地イントゥリゲートは、対バーヴァリアン紛争の最前線基地です。くれぐれも遅れないように」
「上等じゃないのよ!」
 ソノイは受け取った銃のコッキンを引くと、ガシャリと大きな音をさせて地面に銃床をつけた。
「じゃあ貴方には、歩きながらいろいろと聞かせて貰うわ!」
「どうぞマム。質問は手短に。では、各員配置に着け。オリエンテーションを実施」

30 :ウィザード五段錬士:2014/08/16 22:40:04 (10年前)  0.1MONA/1人

 ユウヤ少尉はそう言うと、覆面越しに周りの兵士たちに指と手で合図した。
 他に立っていた装甲服の兵士たちが黙って頷き、それぞれどこかに向かって歩いていく。
 心なしか、他の兵士たちとユウヤ少尉のスーツの装飾が違うような。赤い肩章に、特徴的な縦筋の色の線が体中に走っている。
 ユウヤ少尉は振り向くと、見えない顔でソノイを見て微笑んだ。
「準備はいいですか。オリエンテーション開始です、ソノイ少尉」
呼吸音混じりの低くくぐもった声で、ユウヤ少尉が覆面越しにソノイに言う。
 ソノイはごくりと、唾を飲み込んで口元を緊張させた。

31 :ウィザード五段錬士:2014/08/16 22:40:18 (10年前)  0.1MONA/1人

 時刻は午後4時過ぎ。
 クローン用の超大型突撃小銃を持って歩き始める二人の様子を、遠く監視塔の上から覗く数人のクローンたちが見ながらなにか囁き合っていた。

32 :ウィザード五段錬士:2014/08/16 22:47:26 (10年前)  0MONA/0人

カリカリ……
   。。。     ノノノノ
      ━ミ ∈゚  )
        ヽ\/⌒ ⌒)
         \/ヽ   ヽ
         (⌒ヽ    )
          \ ~~
           彡 彡

33 :ウィザード五段錬士:2014/08/16 22:47:44 (10年前)  0MONA/0人

あげわすれてました

34 :ウィザード五段錬士:2014/08/17 20:07:36 (10年前)  0MONA/0人

。。。
    ノノノノ
   (゚∈゚ )
  /⌒∨⌒ヽ
 (_ミ彡__ノ /
  / ノ/ ノヽ
 彡彡 ヽノ

35 :ウィザード五段錬士:2014/08/17 20:08:21 (10年前)  0.5MONA/1人

 赤くなった夕暮れの彼方に、輝く大きな第一衛星と、地平線の向こうで赤い色を帯びた小さな第二衛星が顔を覗かせている。
 ユウヤ少尉と同じ装甲服を着る一等兵以下同じ姿の兵士たち数人が、ライドウォーカーを操ってヘッドライトを輝かせる。
 ザスザスとライドウォーカーの足音が赤い砂地に足音を鳴らし、荒野に同じく軽快なエンジン音が響く。
「ここから向こうが、我が基地の敷地です。それからここより先が、キリングゾーン。バーヴァリアンたちが隠れている場所です、マム」

36 :ウィザード五段錬士:2014/08/17 20:08:52 (10年前)  0MONA/0人

 肩章を付けた忠実なクローン兵士の一人、ユウヤ少尉は指を敷地の中と外へ向けた。
「そうね。でもこれからどれくらい歩くの?」
「周回距離約10キロ、一時間も周れば済む程度ですマム」
 ソノイは大きな突撃小銃を肩に担いで、やれやれと言った様子で汗をぬぐった。
 その時、ソノイの脇に立つライドウォーカー乗りの仕官からピーピーと音がする。
 仕官たち数名が耳に指を当てて黙りこくったので、ソノイは暇そうにして荒野の外を振り返った。
「あー、いい空気! やっぱり陸はいいわー」
「新鮮な空気を吸っているところ申し訳ないですがマム、緊急事態です」
「また、何かあったの?」
 ユウヤ少尉が装甲服と呼吸マスクごと振り向いて、荒野の向こうを指さした。

37 :ウィザード五段錬士:2014/08/17 20:09:13 (10年前)  0MONA/0人

「基地を守る監視システムの一部が、定期点検中にダウンしたとのことです。その隙に、数匹のバーヴァリアンが基地内部に侵入しました」
「バーヴァリアン?」
「知らないのですか?」
 クローン兵士のユウヤは、あくまでもソノイの言葉に素直そうに振り向いた。
 だが表情は見えない。
「我々サテロイドフォースが、あなたたち人類の存続のために戦っている知的生命体群の総称です」

38 :ウィザード五段錬士:2014/08/17 20:09:35 (10年前)  0MONA/0人

 ユウヤ少尉の赤の肩章に、禁の刺繍が施された盾と剣の部隊章が輝く。
 見たこともない特大の小銃に、同じくどこでも生産されたことの無いような特大の装甲服。
 軍隊に所属する軍人、というよりもまるで宇宙にいるような宇宙飛行士みたいな男たちだ。
「我々サテロイドフォースは、壁に囲まれた対異形生体用の先鋭。あなたたちが平和に暮らすために作られた人造兵士部隊です」
「詳しくは知らないわ。貴方たちの噂は聞いているけれど」
「では歩きながら話しましょうか」
 ユウヤ少尉は指を傾けると、脇に立つライドウォーカーの士官たちに目配せをする。

39 :ウィザード五段錬士:2014/08/17 20:10:05 (10年前)  0MONA/0人

 同じく装甲服とマスクを付けた兵士たちは無言で頷き、ライドウォーカーのアクセルを回してどしどしと進んでいった。

「今のが、私たちサテロイドフォースの先鋭の一部です。我々は国際連合隷下、宇宙移民開発委員会の元で作られました」
 スー、コーと小さくする呼吸音の中でユウヤ少尉は、マスク越しの電子音混じりでしゃべる。
 ソノイは肩にバズーカのように大きな小銃を担ぐとユウヤ少尉の隣に立った。
「サテロイドフォースのことは分かったわ」
「では次にこの基地の概要ですが」

40 :ウィザード五段錬士:2014/08/17 20:10:40 (10年前)  0MONA/0人

 物陰で、ガサリと音がしてユウヤ少尉がバズーカのような小銃を向けて構える。
 小さく肌寒い風が吹いて、クローン兵士ユウヤのスカーフをふわふわと舞わせた。
「……取り越し苦労か」
 チャキッと、巨大なクローンガンを担いでまた道を前に進み出す。
 そのあまりにも手際のいい銃の構え方をみて、ソノイはんっ? と思って自身の持っているクローンガンを見た。
 どう見ても大きいし重いし、普通の兵士が持っていた銃の5倍近くは大きくて扱いづらい。
「先を急ぎましょうか」
 スー、コーと呼吸音を響かせるユウヤ少尉が先で振り返る、ソノイはムッとした顔でその後に続いた。

41 :ウィザード五段錬士:2014/08/17 20:13:38 (10年前)  0MONA/0人


        ノノノノ_
。.    ε=(゚∈゚*)iiii∩
 ~━ミ .  / |/⌒ヽ|ii|
 ;   ヽ` ' 丿  _.i ||ii|
      (⌒ v 彡_..ノ.|ii|
     /ヽ、 \/|iiiiiii|
    / /’|iiiiミミiiii|iiiiiiiii|
   彡/  |iiiiiiiiiiiiii|iiiiiiiii|

42 :ウィザード五段錬士:2014/08/17 21:56:04 (10年前)  0MONA/0人

                モーナーン>
        ノノノノ_     ↑
。.    Σ(; ゚∋゚)iiii∩  入金の音
 ~━ミ .  / |/⌒ヽ|ii|
 ;   ヽ` ' 丿  _.i ||ii|
      (⌒ v 彡_..ノ.|ii|
     /ヽ、 \/|iiiiiii|
    / /’|iiiiミミiiii|iiiiiiiii|
   彡/  |iiiiiiiiiiiiii|iiiiiiiii|

43 :ウィザード五段錬士:2014/08/18 23:17:28 (10年前)  0.5MONA/1人

 荒野にポツンと残るこの基地は、サテロイドフォースという特殊部隊が拠点を構える場所らしい。そこまでは分かった。
「それでこの基地の概要ですが」
「待って! あ、あなたにとっては普通なのかも知れないけど!」
「シッ! ……伏せて!」
 ユウヤ少尉が突然手を伸ばしてソノイに向け、咄嗟にグローブをはめた五本指でソノイの頭を掴んで地面に押しつける。
「おぶっ!?」
 瞬間、頭上を赤いレーザーラインがかすめ飛んでいく。
 ユウヤ少尉は装甲服ごと地面に伏せて体を守ったが、厚すぎる装甲服で背中をレーザーがかすめ飛んでいた。
 ユウヤ少尉の背中から、プスプスと煙が上がっている。

44 :ウィザード五段錬士:2014/08/18 23:17:53 (10年前)  0MONA/0人

「防衛システムが誤作動を起こしている。どうやら手動でシステムを止めないといけないらしい」
「冗談じゃないわ! そんなこと、今きたばかりの人間にできると思ってるの!?」
「できなければここで凍え死ぬだけです、マム。我々サテロイドフォースは役立たずは軒並み死んでいきました」
 ユウヤ少尉は突き放すように言う。そして、荒野の暗くなりかけた大地の向こう側をゴーグル越しに見つめ。
「私が行って止めてきます。貴女には、このまま基地警備を続行してもらおうかと」
「ぐっ」
 特大クローンガンを背中に担ぎ、ソノイ少尉は歯がゆい気持ちで奥歯を噛みしめる。
「分かったわよ! 見てくればいいのね!」

45 :ウィザード五段錬士:2014/08/18 23:18:16 (10年前)  0MONA/0人

「これをお渡しします」
 ユウヤ少尉は立ち上がると、ポンポンと自分の装甲に着いた埃を払い落とし胸下のサイドポケットに付けた無線機を取り外す。
 外装とまったく同じ色の、使い古され砂の黄色で汚れた白い無線機ケースだった。それと一緒に小さな黒いバンド紐付きのサイドバッグも渡される。
「お渡しできるのは以上です。武器はそのままで、日暮れは今から45分後。それまでに当直室へお戻りください。もしも基地に進入したバーヴァリアンを見つけたら撃ち殺して構いません。幸運を祈ります、マム」
 そう言って、ユウヤ少尉は敬礼するともう一方の道へと入っていった。

46 :ウィザード五段錬士:2014/08/18 23:18:41 (10年前)  0MONA/0人

 無情にも基地内で置いてきぼりを食らわされたソノイは、理不尽と怒りで爆発しそうな血管と心臓を抑えながらクローン戦用の特大小銃を担いで黙った。
 サイドバッグには何かが入っている。無線機には周辺にいるらしいクローン兵士たちの何気ない会話や、今日の出来事などが飛び交っている。
 渡されたバッグに手も付けず、とにかくソノイは先を急いだ。
「なにが基地警備を続行、よ! あのコマンダー気取り!」
 何でできているのか分からないが、この重いバズーカみたいな小銃も持っているだけで腹が立ってくる。

47 :ウィザード五段錬士:2014/08/18 23:19:15 (10年前)  0MONA/0人

 がちゃがちゃと、この、レゴのおもちゃみたいな……野球に使えそうなこの鉄くずのバット!
「なぁぁぁっにがっ!!!」
 がつがつとブーツのカカトを地面に叩きつけながら先を急ぐ。日が暮れなくても確かにこの地の風は寒い。
「できなければ凍え死ぬだけですだあのクソヤロウ!!」
 ソノイは誰ともなしに夕焼けの下で、ちょっとさっきの兵士の声真似をして叫んだ。すると、無線に飛び交っていた兵士たちの話し声がぷっつり途切れる。
 ガリガリガリと微弱ノイズが走って、無線がソノイの腰元でぶらぶらと揺れた。

48 :ウィザード五段錬士:2014/08/18 23:19:53 (10年前)  0MONA/0人

    巛    ヽ彡
    / !    ! !
   / ヽ   / !
   \ \_/ /
     ヽ/ \/
     /   /
    /    (
  /  /ヽ  ヽ
 ( <(。∈。)> )
  ヽ ! ノノノノ ! ノ
  彡ヽ    /ミ

49 :名無し初段:2014/08/19 21:48:13 (10年前)  0.5MONA/1人

「あの鉄仮面め! ぬぁーにがバーヴァリアンだっこっちが聞きたいくらいよ!」
『見回りは、順調かね?』
「!?」
 ガーという無線の雑音と共に、初めて聞いた年上男性の声が聞こえてきた。
 ソノイは慌てて無線機を取りだして送信ボタンを押す。
「は、ハイじゅんちょーです!!」
『結構。あー、あまり私の部下の悪口は言わないでくれるかな』
「えっ」
『彼はああ見えてかなり不器用な性格をしているんだ。仕事一筋、というかな。クローンにしてはだいぶ個性的だと思うが』
 見知らぬ年上の、ハスキーな声はソノイの戸惑いを無視して一方的に話し続ける。

50 :名無し初段:2014/08/19 21:48:37 (10年前)  0MONA/0人

『今からバーヴァリアンが一体、そちらに向かっていく。部下が後ろからそちらへ追い詰めているから、目標を発見次第、部下と共同で目標を破壊してほしい』
「えええっ」
『できるな? 訓練通りに撃てばいいだけだ』
 無線越しでハスキーな中年男性の声が無線でがなり、ソノイは覚悟を決めてクローンガンを中腰で持って足を広げる。
「クッ、武器が重い……」

51 :名無し初段:2014/08/19 21:49:08 (10年前)  0MONA/0人

 しばらく待っていると、道の向こう側からずしずしとライドウォーカーの足音と一緒に、何か別の生き物が悲鳴を上げる声が聞こえてきた。
 赤く光る縦筋の目に、ごわごわした分厚い緑色の肌をして四つん這いで走っている。
 獣のような走り方だ。しかしその獣はソノイを見つけると、キュルルルルルと可愛げな声を上げて立ち止まり、二本足に代わった。
「なにこれ!?」
「キュェェエー!!!!」
 バーヴァリアンは赤い一つ目をカッと大きく見開くと、必死な様子でソノイに向かって飛び上がってくる。ソノイはクローンガンを一発だけ撃つと、素早くガンを投げ捨ててその場で後ろに飛び退いた。

52 :名無し初段:2014/08/19 21:49:27 (10年前)  0MONA/0人

 獣らしい動き方でバーヴァリアンは地面に着地すると、そのまま横っ飛びでひょいひょいと地上を動き回る。
 ソノイの投げたガンが地面を転がりガチャンと音を鳴らし、バーヴァリアンは振り向いて「ヒョ?」と声を上げた。
 どうやら、銃を撃つことは分からないらしい。

53 :名無し初段:2014/08/19 21:49:48 (10年前)  0MONA/0人

「こなくそ!」
 咄嗟に腰元から護身用の拳銃を抜く。安全装置を外し、スライドを引いて引き金を引いた。
「死ねぇ!!」
「ヒュァァァァア!?」
 緑色で分厚い皮膚を持った小汚い獣はひょうひょうと、逆さまになったり飛び跳ねたりしながらソノイの拳銃弾を軽々とかわしていった。

54 :名無し初段:2014/08/19 21:50:52 (10年前)  0MONA/0人



【人気四コママンガに嫉妬(苦笑)】

55 :名無し初段:2014/08/19 21:51:25 (10年前)  0MONA/0人

アカ間違えたし・・・

56 :ウィザード五段錬士:2014/08/21 12:02:36 (10年前)  0.5MONA/1人

 しばらくソノイのオートマ拳銃と小物バーヴァリアンの撃ち合いかわし合いが続き、ソノイは数発の弾を残して銃を発砲するのをやめた。
 緑のバーヴァリアンがやれやれといった様子で背筋を伸ばし、赤い一つ目をぱちくりさせてソノイを見る。
 それから異様に大きく膨らんだ右腕を持ち上げて、指を振った。
「……コイツ来いってか!?」
「ギュキュキュキュキュキュ!」
 人語を話し理解もできるかのように、異形のゴブリンみたいな生き物は声だけで笑う。

57 :ウィザード五段錬士:2014/08/21 12:03:04 (10年前)  0MONA/0人

 その後ろから、やっと追撃隊らしいライドウォーカーたちがヘッドライトを照らして走ってきた。
 クローン兵士の一人が、スライドハンドルを操作してトリガーに指を置く。
「加勢しますか!?」
「いい!」
 すかさず、ソノイは声を上げて足下に転がるクローンガンを拾い上げた。
「私が、こいつをやる!」
「キュキョ?」
 バーヴァリアンがまるで本物の人間のように小首をかしげ、それから全身を振るわせて笑い出す。

58 :ウィザード五段錬士:2014/08/21 12:03:22 (10年前)  0MONA/0人

「キュキョキョキョキョキョキョ!!」
「クソぉこの生意気な、バケモノめ! 私が相手だ、さあ来い!」
「キュキェキェキェキエキエキエ! キュキョキョ? キェーッ!」
「うおおおおおー!!」
 バーヴァリアンが駆け出しながら二足歩行を止めて四足歩行になり、前足を着いて高々と宙に飛んで腕を構える。
 ソノイも大きなクローンガンを横に構え、撃っても撃たなくても当たらないこのデカブツの重傷を掴んだ。

59 :ウィザード五段錬士:2014/08/21 12:03:45 (10年前)  0MONA/0人

「んーアーァーッ!!!!」
「キュェ!?」
「そいやーっ!」
 そのまま一回転、ガンはソノイの腕の中に収まったまま空中をブンと横殴りに殴った。
「……!!」
 だが回転が速すぎる。しかしソノイはそのままガンを回す勢いを緩ませず、腕二本で保持したガンをそのまま体ごと一回転させてバーヴァリアンにぶち当てた。

60 :ウィザード五段錬士:2014/08/21 12:04:08 (10年前)  0MONA/0人

「ぅぶっ!」
 ソノイの振り回したガンの銃身に、バーヴァリアンの醜い顔にぶち当たって弾き飛ぶ。
「ギュベ、ブッ……!?!?」
 緑の鼻血を吹き飛ばしてバーヴァリアンは路上に組み伏せられ、後からやってきたクローン兵士たちに取り押さえられる。
 ソノイは野球をやる要領で、素早いバーヴァリアンをぶん殴ったのだ。
『一つめをやったな。次はこの道をまっすぐ進んだ先だ、二体いるぞ』
 腰に付けた無線機から、男の低い声がする。ソノイは額の汗をぬぐうとガンを地面に落としてため息をついた。

61 :ウィザード五段錬士:2014/08/21 12:04:32 (10年前)  0MONA/0人

カリカリ……
   。。。     ノノノノ  ~♪
      ━ミ ∈゚  )
        ヽ\/⌒ ⌒)
         \/ヽ   ヽ
         (⌒ヽ    )
          \ ~~
           彡 彡

62 :ウィザード五段錬士:2014/08/22 22:05:09 (10年前)  0.5MONA/1人

「重いわこの武器……っ」
『なんだ、もうギブアップか?』
「じょ、冗談じゃないわよ! これしきのことでッ! ……どうせ、これがあなたたちの歓迎のやり方なんでしょう?」
『ハハハ気づくのが早いな』
 無線機の男の声にソノイは眉をひそめ、そっと闇の方を向いて嫌な顔をする。
「バッカみたい! なにがオリエンテーションよ! 人のこと小馬鹿にしたみたいなことして!」

63 :ウィザード五段錬士:2014/08/22 22:05:30 (10年前)  0MONA/0人

 エンジンを空転させヘッドライトを灯して突っ立っているライドウォーカー二機を通り過ぎ、兵士たちが見送る隣をソノイはふたたび歩き出す。

 道の先には藪が茂っていて、どうやら何者かがキェーキェーと鳴き叫びながら動き回っていた。
 同時に何か機械的なものも一緒になって動いていて、雰囲気だけで何か様子がおかしいことに気がつける。
『道の先では我が基地の自動防衛システムが誤作動を起こしている。他の兵たちは別にいるバーヴァリアンを取り押さえるのに手一杯だ。キミはここを突破してくれ』
「基地のメカは破壊しても?」

64 :ウィザード五段錬士:2014/08/22 22:05:50 (10年前)  0MONA/0人

 言うが早いが茂みの中からふわりと何かが浮いて出てきて、ソノイの方を見て黒いレンズをクルッと回す。
「……聞く余裕もないみたいね」
『破壊しろ』
 ひくっと鼻筋を痙攣させるソノイを前にして、基地防衛メカはビーム射出口を開いて光を灯した。
『ゲーゲルゲー ヴェーゲーゲルゲーヴェー……』
 黒い胴体の防衛メカは数本の足を広げて警告の体勢を取る。

65 :ウィザード五段錬士:2014/08/22 22:06:09 (10年前)  0MONA/0人

 ソノイはガンを担いで飛び退くと、道路脇にある小さな土嚢の壁の後ろに張り付いた。
「……?」
『……ベーーー、ェェェェェヴェルーベー』
 防衛メカはソノイを見失うと、くるりと頭部を反転させて再び闇の中を覗きだす。
「楽しくなってきたじゃない!」
 ソノイはしゃがんだ状態でガンを脇に抱えてコックをスライドすると、勢いよく土嚢の裏から立ち上がってガンを構えた。

66 :ウィザード五段錬士:2014/08/22 22:06:30 (10年前)  0MONA/0人

「!」
 防衛メカが何かに向かって照準を合わせている。暗くなりかけた夕焼けの空の下、防衛メカは本来撃つべき敵を狙って銃口を絞っている。
 チュンチュンチュンと甲高い音がして道路が吹っ飛ぶと、爆風に巻き込まれて道の向こうにいたバーヴァリアンが吹き飛んだ。
「こなくそっ!」
 そこで、ソノイはガンを撃って防衛メカを背後から撃って落とす。
 メカは煙を吹いてその場で沈んだ。
「あと一つ!」

67 :ウィザード五段錬士:2014/08/22 22:07:43 (10年前)  0MONA/0人

      age
      ||
     (ミ|| ノノノノ
     ハ∥( ゚∈゚ )
    / |/⌒` ´⌒ヽ
     ヽ./ヽ 人 ノ\\
  ((   /   ノ //
    / ̄ ̄ ̄\ヽ彡
   / /⌒\ ,,)
  / /    //
  \\    \)
   (/

68 :ウィザード五段錬士:2014/08/29 21:46:46 (10年前)  0.5MONA/1人

『防衛メカはあと二門ある、背後を取られないように気を付けろ』
「あとふたつも! さっきのあいつは何してるのよ!!」
ソノイはガンを背負って先を急いだ。

夕暮れの基地外周茂みの向こうで、基地の防衛メカが飛び跳ねるバーヴァリアンを相手に七色の光線を灯して地面を爆発させている。
地面を掴んで忙しく動き回る脚に、目のような形をしたカメラがせわしなく上下に動いて対象を捉えている。
「キュキャッ!」
防衛メカが光線を撃つ直前に、その兆候を見て飛び跳ねては面白そうに両手を叩く緑のあれはバーヴァリアンだ。ソノイはガンを構えると、足を開いて射撃の体勢に入る。

69 :ウィザード五段錬士:2014/08/29 21:47:09 (10年前)  0MONA/0人

「キュキョッ!?」
『ヴィーーーベルヴェーベー』
赤い瞳と、メカの黒い目がソノイを捉えた。
「しまった!」
咄嗟に身を引いて、ソノイはふたたび近くに放置されていた土嚢裏に飛び込む。
すると防衛メカが足を動かして、ソノイが隠れた土嚢に一歩一歩と近づいてきたのだ。
「ひいいいっ!」
ジュオンジュオン! と、遠く闇の向こうから光線兵器の弾道と火線が輝いて、ソノイの土嚢直近にぶち当たって爆発する。

70 :ウィザード五段錬士:2014/08/29 21:47:37 (10年前)  0MONA/0人

防衛メカは火線の方へと振り向くと、勢いよく銃口を開いてレーザーを撃った。
『ソノイ少尉、こちらはコマンダーユウヤ、アーユーオールライ?』
「オールライもなにもあるかァーっ!!」
土嚢裏から防衛メカめがけて、クローンガンを腰にあてがってフル連射する。
バス! バス! バス! クローン兵士専用の巨大突撃小銃の砲弾が真っ赤な空の下に赤と黄色に輝いて空を切る。
その撃ち放たれた銃弾の幾つかが、防衛メカの関節部に当たってメカがぐらりと足下を揺らした。

71 :ウィザード五段錬士:2014/08/29 21:48:00 (10年前)  0MONA/0人

頭部が振り返ってソノイを補足する。
「は、はやく撃てーッ!!」
『了解、撃ち方始め』


赤緑黄色の火線が空を切り、黒いボディの防衛メカを装甲板もろとも破壊していく。
赤い火を噴くメカはビリビリっと電撃を関節に走らせると、ガクリと体を震わせて地面に擱座した。

72 :ウィザード五段錬士:2014/08/29 21:48:21 (10年前)  0MONA/0人

「キュキャキュキョ!」
『ベー、ヴェーヴェルベー』
回転銃座にビームラインを走らせて、防衛メカが脚をガシガシと草地に食い込ませ、道脇の泥と緑の茂みの間をバーヴァリアンが飛び跳ねて避けている。
ソノイはガンを構えると、クローンガンの方針をバーヴァリアンの方へと向けた。
「食らえッ!」
「!?」
ダァァァーン!
赤い瞳がソノイを向いた時、その凶悪な目と頭にソノイのガンが吐き出した弾が当たってめり込んでいく。

73 :ウィザード五段錬士:2014/08/29 21:49:06 (10年前)  0.114114MONA/1人


    、_人
    ) \´     ノノノノ
    ´`Y .\、   (゚∈゚ )
       ミ\/⌒V ⌒ヽ
        \,人   |ソ
           |   !
           |\/i
           | ノ | .ノ
           | ) lソ
          彡ヽ ヽミ

74 :ウィザード五段錬士:2014/08/30 20:08:05 (10年前)  0.5MONA/1人

「……ッ」
 バーヴァリアンは衝撃で仰け反ると、いち、二度ほど地面を転がって両腕をビクンビクンと痙攣させた。
 防衛メカがベーと電子音を放ち、動かなくなったバーヴァリアンの生死を確認してソノイを振り向く。
 ダァァァアーン!
 ソノイはガンの引き金を引き、メカの頭部カメラを撃ち抜いた。
 よろよろと防衛メカは足下をぐらつかせ、その場で踏ん張るようにして脚を伸ばす。
 すかさず、次弾。ソノイは引き金を引く前に一度脇を締め直して、照星をメカの心臓部に向けて、銃床を肩に当てて歯を食いしばった。

75 :ウィザード五段錬士:2014/08/30 20:08:28 (10年前)  0MONA/0人

 引き金を引くととてつもない衝撃で鉄が肩に食い込み、ソノイはぐっとふらつきそうになる足を腰元で押さえて耐える。
 防衛メカが、ヴェーと電子音を鳴らして倒れたのはその後だった。

『ボス級のやつがそっちに向かっている、任せるぞ!』
 無線から相変わらず男の声が聞こえて来て、次にガリガリという小さな雑音の後に『大丈夫ですかミスソノイ?』という聞き慣れた男の声が聞こえて来た。

76 :ウィザード五段錬士:2014/08/30 20:08:55 (10年前)  0MONA/0人

 ほぼ同時に近くの路上から白い装甲服の兵士が駆けつけてくる。
「大丈夫ですか、ミス・ソノイ?」
「ふうーっ、ええまだなんとかね! でも、そろそろきついわ」
 ソノイはガンを抱えたままその場にへなへなと倒れ込み、銃を脇に立ててはあはあと肩で息を繰り返した。
 駆け寄ってきたコマンダーのユウヤが、腕を取って脈拍を数え始める。
「怪我をしましたか」
「怪我なんかしていないわ! でももう突然の歓迎会でくたびれたわ、シャワーくらい浴びたいわよ」

77 :ウィザード五段錬士:2014/08/30 20:09:18 (10年前)  0MONA/0人

「それはもう三十分辛抱してください、マム」
「私の歓迎会って、いったい何の意味があるの?」
 ソノイは兵士の顔、さっきの通り表情の見えないマスクをしたクローンユウヤを泥に汚れた笑顔で見あげた。
 クローンユウヤは、しばらくマスクの向こうで固まってソノイの顔に見とれた様子を見せる。しかし、クローンはマスクを軽く揺すると平静そうな声でソノイの質問に答えた。
「貴女の、入隊適性テストです。この試験をクリアすれば、貴女は正式にサテロイドフォース隷下、機動戦術訓練学校への入学が許可されます」

78 :ウィザード五段錬士:2014/08/30 20:09:40 (10年前)  0MONA/0人

「オリエンテーリングなのに? 私は軍人よ、戦うために異動命令をもらってやってきたんだけど」
「サテロイドフォースとは軍団であって、人類が用意した正規の軍属の集団ではありません。命を持つ肉の器の私たちが、ほぼ捨て駒となって誰のためにもならない戦いをこの壁の内側で続けています。言わば我々は、命を捨てるための専門の集団です」
「ずいぶんと物騒な集団ね」
「立てますか」
 ソノイはくぐもった電子的な声のユウヤに腕を引っ張られ、ガンを杖代わりにしてようやく地面に立ち上がった。

79 :ウィザード五段錬士:2014/08/30 20:19:06 (10年前)  0.5MONA/1人

     丿   ,;⌒⌒i.
  ノノノノ⌒ヽ (   ;;;;;)  ______
 (゚∈゚ )  ミ)     ,,:;;;) | WELCOME |
/⌒\/(    ) ヽ| |/ |,;ノ | MonaCoins |
( ミ   ∨∨  | /  i; |______|
 ノ  /     | | ,,i; ,, . ,;⌒∥
( \/ヽ ,,,丶, | |,,;.    ;i,,   ∥ヽ
 \ ) ) ..   ,,   ´ヽ (,,  ∥丿.,,,
 ///   ,,   ,,  . ´ヽ   ∥,,, ..,
`ヾ ヽミ ,,  .、 ヽ .. ヽ丶,ヽ  ∥、,,

80 :ウィザード五段錬士:2014/09/04 22:24:24 (10年前)  1MONA/1人

「ちぐはぐね。貴方もその命知らずのことをやってるの、壁の内側は流行性の病気が流行ってるって聞いてたけど」
「お辞めになりますか」
「まっさか!」
 ため息でもつきそうなほどのマスク越しのユウヤの声に、ソノイは瞳をキラキラ輝かせて手をグーに握りしめて構えた。
「私の父も軍人よ! そのヘンチクリンなのが、こんなにいるってんなら戦うわよ! そんな面白そうなのが、あるって知ってたらもっと早く戦ってた! 私にだって戦えるわよ!」
「そう、ですか」

81 :ウィザード五段錬士:2014/09/04 22:24:48 (10年前)  0MONA/0人

 半ば呆気にとられたように、白い装甲服のユウヤはちょっと身を引く。
「それに、あなた服がばらばらね。色がヘルメットと服と腕でだいぶ形が違うわ」
「これは全て戦友の物です、マム」
 呼吸器の音を響かせて、ユウヤは軽くヘルメットを降る。その時、道路の後ろ側からズシンズシンとライドウォーカーたちがヘッドライトを輝かせて全速力で駆けつけてきた。
「目標三体、急速接近中!」
「了解」
 ユウヤは振り向き様に、ライドウォーカーでやってきた兵士たちと無線で声をやりとりする。
「ミス・ソノイ、あと三体です」
「撃ってやろうじゃないのよその三体ってやつ!」

82 :ウィザード五段錬士:2014/09/04 22:25:15 (10年前)  0MONA/0人

 ガジャリとコックをスライドさせ直して、ソノイはバズーカのように大きいガンを脇に抱えて持ち上げる。
「ちょうどむしゃくしゃしてたのよ! こんなところに送り込まれていきなりこんなことになるなんて、ちょっと撃つだけじゃ収まんないわこの……!」
 ひょうと、マスク越しにユウヤ少尉が口笛を吹いたその時、道の先でライドウォーカーがすぐに交戦を開始し出す。
 しかし、様子がおかしかった。
『グッ、この……』
『こちらチキンワン、被弾した! 降車してこれより白兵戦に移行す、うわああー!?』
 兵士の絶叫と共に、無線と地上の同時方向から嫌な爆音と地響きが鼓膜を振るわす。

83 :ウィザード五段錬士:2014/09/04 22:25:35 (10年前)  0MONA/0人

 肌を振るわすほこの衝撃。燃えて崩れ落ちたライドウォーカーの残骸と炎を背に、クローン兵士が持っていたはずのクローンガンを構えたバーヴァリアンがぎょろりと赤目を輝かせた。
「奪われただと!?」
「キュキョキョ!!!」
 背の低い緑色の物体の後ろから、さらに二体のバーヴァリアンが体を晒して軍刀を抜く。
「……武器持ちか!?」

84 :ウィザード五段錬士:2014/09/04 22:25:59 (10年前)  0MONA/0人

 武器を構えて、ユウヤがガンを構えた。それに倣って他のクローンたちもガンを構える。
 バーヴァリアンはクローンたちの攻撃を察知したのか、奇声をあげながらその場から高々と跳躍した。
 一瞬遅れて、アスファルト道路が撃たれて爆発する。
「キュケキャー!」
「ギギャ!」
「ギョギョギョ!?」
 三匹の、汚らしい緑色のバーヴァリアンたちが武器を持って路上に立ちはだかる。勇敢なクローン兵士の一人が打突を試みるがが、バーヴァリアンは 軽々とその兵士をなぎ払って討ち取った。

85 :ウィザード五段錬士:2014/09/04 22:36:06 (10年前)  0.06014114MONA/1人

      ノノノノ
      ( ゚∋゚)
(( /⌒ \/⌒\ ))
  < <|   |>ノ
   \ミ\/彡/
  (( //\\ ))
    \\//
     彡ゝヽミ

86 :ウィザード五段錬士:2014/09/05 13:32:57 (10年前)  0MONA/0人

投げ銭を皆さまに頂きまして、お勧めは何かとお聞かれ致しましたので、僭越ながらこのワタクシ、お答えさせて頂きます!

『蒼空のフロンティア』というファンタジー風テーブルトークRPGの、同人作品でございます。
https://note.mu/cafe/n/ndbd6ba686ad6?magazine_key=mb776d4a1f75b

なおこちらにも同じ作品を、分割して投稿させて頂いております!
http://www.pixiv.net/member.php?id=4895072

舞台は近未来!
ファンタジーワールドでして、東京上空に突如現れた浮遊新大陸というシェアワールドを使い、各所から集まった冒険者が新大陸開拓を目指して様々なアクションをこなすという、冒険シナリオです!

byあなたの願望を文字に起こす! 乞食作家志望

87 :ウィザード五段錬士:2014/09/05 21:18:42 (10年前)  0MONA/0人

         ノノノノ
        (゚∈゚ )  ─_____
        丿\ノ⌒\  ____ ___
       彡/\ /ヽミ __ ___
           /∨\ノ\  =_
          //.\/ヽミ ≡=-
          ミ丿 -__ ̄___________

88 :ウィザード五段錬士:2014/09/05 21:19:08 (10年前)  1MONA/1人

「こ、これは!?」
「バーヴァリアンだ! 我々の敵、俺たちが戦っている、この世界にはびこる害獣共!」
 軍刀持ちのバーヴァリアンが赤い目玉をギョンと光らせ、一振りの下に軍刀を投げつける。
「あぶない!」
「ぐっ」
 バーヴァリアンの投げはなった軍刀が、ソノイの持つクローンガンの銃口に突き刺さる。
 見ればバーヴァリアンはにやりと、トカゲの目のような赤い瞳で笑う。
 ソノイはガンを捨てるとダッフルバッグを背負い直して、格闘の構えをして見せた。

89 :ウィザード五段錬士:2014/09/05 21:19:31 (10年前)  0MONA/0人

「キュキュ?」
「正気ですか!?」
 他のクローンたちが一斉にソノイを振り向き、ユウヤ少尉も黙って隣でソノイを見る。
「……来て早々の、自殺行為ですか」
「私は貴方たちじゃないわよ!」
「うん?」
 ソノイの予想外な言葉に、クローンのユウヤ少尉がマスクと視線を向ける。
 ソノイは黙ってバーヴァリアンにじりじりと歩み寄ると、両腕と足を構えて対峙した。

90 :ウィザード五段錬士:2014/09/05 21:20:04 (10年前)  0MONA/0人

 その姿勢を、挑発と受け取ったバーヴァリアンの一つが手を振って歩いてくる。
 正面と正面で対峙したソノイとバーヴァリアンは、お互いの目をにらみ合いながら間合いをじりじりと詰めていった。

 暗い、荒野特有の乾いた風が二人の間にさらりと流れる。

91 :ウィザード五段錬士:2014/09/05 21:20:34 (10年前)  0MONA/0人

「キ!」
「たあっ!」
 腕一本分ほど余計に長いバーヴァリアンの方が先に動き、先制攻撃を仕掛けるべくソノイの胸元に腕を伸ばした。
 三本指で薬指だけが異様に長いバーヴァリアンの腕、それをソノイは手刀で弾き飛ばしてバーヴァリアンの懐に飛び込む。
 身長は互いに低い方。ソノイは標準的な女性身長の160センチだ。だがバーヴァリアンは人間ではないからなのかそれよりやや小さい。

92 :ウィザード五段錬士:2014/09/05 21:21:04 (10年前)  0MONA/0人

 しかし体力面では、どうなのか。ソノイは獣足のバーヴァリアンに下から蹴られて飛ばされた。
「クッ! 間合いが違う」
「キョケー!」
 猛烈な勢いで飛びかかってくるバーヴァリアンの追い打ち攻撃をすんでの所で飛び退いてかわし、背にかついだダッフルバッグを盾代わりにして左手に構える。
 ちらりと、胸元にドックタグとロケットが覗いた。

93 :ウィザード五段錬士:2014/09/05 21:29:05 (10年前)  0MONA/0人

∞三三三三3
↑          
幸せのちょうちょ    ノノノノ
              (゚∈゚ )  ─_____
              丿\ノ⌒\  ____ ___
             彡/\ /ヽミ __ ___
                 /∨\ノ\  =_
                //.\/ヽミ ≡=-
                ミ丿 -__ ̄___________

94 :ウィザード五段錬士:2014/09/08 22:40:36 (10年前)  1MONA/1人

 ふふんとバーヴァリアンが視線だけで笑う。
『こいつ感情も持ってるのか!? 人間じゃ、そんな風にはぜんぜん見えないのに!』
「気を付けてソノイ少尉!」
「だあー!」
 他のところでも、クローンと残りのバーヴァリアンたちが白兵戦を繰り返している。
 外周コースのゴールはもうすぐ先だ。数は圧倒的に、こちらの方が上!
ソノイは覚悟を決めて、そっと腰の拳銃を隠れて抜いた。

95 :ウィザード五段錬士:2014/09/08 22:40:52 (10年前)  0MONA/0人

「……」
「……」
 じりじりと、ふたたび両者のにらみ合いと間合いの詰め合いが続く。ソノイは左のバッグを盾状に構えて前に進み、少しでも動いたらいつでも拳銃を抜けるよう腕の力を抜いた。
「……キッ!」
「戦争はなんでもありよ! もらったァ!」

96 :ウィザード五段錬士:2014/09/08 22:41:08 (10年前)  0MONA/0人

 ソノイは素早く拳銃を抜き、オートでバス! バス! と銃弾をバーヴァリアンに向かって撃ちまくる。
 しかしそれも読まれていたのか、バーヴァリアンは横っ飛びに地面を蹴ると仲間の体を盾にしてソノイの銃弾を避けた。
「ウギョギョ!?」
「ギギャー!」

97 :ウィザード五段錬士:2014/09/08 22:41:27 (10年前)  0MONA/0人

 敗戦濃厚なこの状況を理解していたのか。それとも、最初から仲間を盾にする気だったのか。
 死んだ仲間の体をクローン兵士ごと蹴り飛ばして、路上でゲヒゲヒと汚らしく笑う。
 覗く犬歯から、黄色い唾がだらりと垂れてソノイはゾクッとした。
「こ、コイツ……!」
 少しずつ、クローンとバーヴァリアンの間の距離が縮まっていく。

98 :ウィザード五段錬士:2014/09/08 22:42:03 (10年前)  0MONA/0人

「仲間の死もなんとも思わないの!?」
「なんとも思っていないからバーヴァリアンなんでしょう」
 隣から、突然ぬっと顔を出してユウヤ少尉が呟いた。
「あの手のことは、我々も手を焼かれました。ピグミーアタック、奴らは仲間の命も自分の命もなんとも思っちゃいない!」
 グリップを握るユウヤの手が、ギチッと音を鳴らせて力んだ。
 クローンたちが一斉に銃を手に持って構える。
「逃がすな、一斉掃射だ!」

99 :ウィザード五段錬士:2014/09/08 22:46:12 (10年前)  0.1MONA/1人


 (⌒\ ノノノノ
  \ヽ( ゚∋゚)
   (m   ⌒\
    ノ    / /
    (    //
 ミヘ丿 ノヽミ )
  (ヽ_ノ_Σ∞; ←ちょうちょ

100 :名無し六段:2014/09/08 22:54:30 (10年前)  0MONA/0人

>>99
予想外すぎワロタw

101 :ウィザード五段錬士:2014/09/11 22:19:47 (10年前)  1MONA/1人

「キキャー!!!!!」
 仲間の死体を棍棒のように握りしめて最後の突撃をしてくるバーヴァリアンに、クローンたちの銃弾が無慈悲に食い込んでいく。

 赤と白と、黄色のレーザーラインがバーヴァリアンの肉を焦がし、焼き切り、ちぎって燃やして焼き尽くしていく。
 緑色のバーヴァリアンの血が黒い染みとなってアスファルトに刻まれると、最後のミッションは終了した。

102 :ウィザード五段錬士:2014/09/11 22:20:13 (10年前)  0MONA/0人



「ようこそ、我がサテロイドフォースの前哨基地へ。貴女を我々の仲間として歓迎します。ようこそ」
「ふうーっ! 疲れたし、なんだかよく分からないうちにいろいろあったけど、何とかなったわ」
「ふはは、楽しんでくれたかな? 言っただろう、これがキミを迎えるためのオリエンテーションだと」
 突如背後から、低い男の声が聞こえてきてソノイの肩をポンと叩いた。

103 :ウィザード五段錬士:2014/09/11 22:20:35 (10年前)  0MONA/0人

「はブッ!?」
「ようこそだ! 私がこの基地で部隊長をやっている、グレイヴ・ジャトーヒル! お前が今日この基地にやってくる新米だな?」
 がっしりとした分厚い手のひらで、一人の日焼けした男が真っ白な歯を覗かせて豪快に笑っている。
 気が付けば、空はもうすでに真っ暗だった。

104 :ウィザード五段錬士:2014/09/11 22:20:52 (10年前)  0MONA/0人

 代わりに星が綺麗だ。真っ白な輝きで、空の向こうで連なって光っている。
暗い空に浮かぶ二つの衛星が、黄色い光を放って大きく弧を描いていた。
「立てるか?」
「あ、ああ、ハイ」
「書類は持ってきたか? 異動命令の書類だ」
 書類、と聞かれてソノイはハッとしてダッフルバッグを持ち上げてチャックを開ける。

105 :ウィザード五段錬士:2014/09/11 22:21:20 (10年前)  0MONA/0人

「しょ、書類がグチャグチャだーっ!?」
「ぐわっははははは! そんなもんだろう! それに、どうだったね今回のオリエンテーションは!」
 周りの兵士と同じく装甲服で身を固めた豪快な声を出す、大男は腰に手を当てて笑った。
 肩にはユウヤ少尉とは違う色の肩章だ。それに、全体にペイントされている模様の仕方が明らかに違う。
 ただ背格好はだいたい一緒だった。その代わり、外見で見るだけで体の大きさが一回りくらい違う気がする。
「大佐、基地の防衛システムを起動します。許可を」

106 :ウィザード五段錬士:2014/09/11 22:27:36 (10年前)  11.41254114MONA/2人


【独り言】

例え99人につまらないと言われても、1人に好きだと言われたら、プロなら最後まで書いて終わらせなきゃいけないと師匠に教わりました。
ask民の皆さまにはご迷惑おかけします(笑)

かしこ

107 :ウィザード五段錬士:2014/09/12 21:25:30 (10年前)  0MONA/0人


【続・独り言】

いつもお読みくださりありがとうございます!
そして、ありがとうございます!
\旦/

108 :ウィザード五段錬士:2014/09/12 21:26:47 (10年前)  1MONA/1人

「ン! よぅし、おまえの割にはよくできた演技だった! 上出来だ!! 褒めてやろう! 再立ち上げを許可する」
「ハッ、システムを起動しろ!」

 赤い肩章の、グレイヴと名乗る大男の指揮官の向こうでユウヤ少尉が声を張り上げた。
 ときたまにごほごほと器官からくるような浅い咳をしながら、ユウヤ少尉は他の兵士たちとまざって自分の作業にとりかかりはじめる。

109 :ウィザード五段錬士:2014/09/12 21:27:05 (10年前)  0MONA/0人

 ぼうっと彼と他の兵士たちを見ていると、グレイヴがばしっと乱暴に書類を受け取ってソノイの肩を抱き寄せた。
「クローンなら気にするな! あいつらは忠実だが、いかんせん融通が利かない。特にユウヤ少尉は気を付けろ、あいつは普通のクローンじゃないぞ」
「なっ、何がです?」
 突然自分の体を抱き寄せたグレイヴの体を装甲服ごと押しのけて、ソノイは短くまとめた髪から小さく汗を迸らせた。

110 :ウィザード五段錬士:2014/09/12 21:27:28 (10年前)  0MONA/0人

「ハッハッハぁ小気味良い奴だ! 気に入った! 人間にしてはなかなか、骨のありそうな目をしている」
 ソノイの目をグレイヴはかがんで覗き込み、グローブをはめた指でびしっと指し示した。

 本能的だが、ソノイはこの男が好きではないように感じた。
 暗くなってよく見えないが、男の顔は豪快に笑っているが目が笑っているように見えない。
 彫りの深い顔に、傷の付いた頬、額にはシップが張ってある。
 ソノイはまず、海軍式の敬礼をした。

111 :ウィザード五段錬士:2014/09/12 21:27:51 (10年前)  0MONA/0人

「今日より、あなたの部隊でお世話になります。ソノイ・オーシカ少尉です! まだまだ未熟な学生ですがよろしくおねがいします!」
「ん! だがそうしゃちほこばるな」
 グレイヴも同じく返礼をするがすぐに手のひらを落とす。
「おまえはまだ実戦経験が無いと聞いている。我がサテロイドフォースにも、新兵を受け入れてすぐ実戦に送り出せるほどの余裕もない。しかもおまえは、人間だ」
 新兵、人間、実戦経験がないという言葉を連続で聞かされてソノイもムッとする。

112 :ウィザード五段錬士:2014/09/12 21:28:10 (10年前)  0MONA/0人

「さっきの、オリエンテーションではお世話になりました!」
ちょっとだけ、「オリエンテーション」の部分に力を入れて反論する。
「いったいどういう事だったんですか? 入ってきた私に、いきなり銃を持たせてあんなのと戦わせるなんて!」
「ん。アレは、実は筋力をすこしいじって放り出した、私たちが用意した訓練用の模擬体なんだ」
 あれで模擬体なのかと、ソノイはこの巨体の大佐の目を見て驚いた。

113 :ウィザード五段錬士:2014/09/12 21:30:24 (10年前)  0MONA/0人


【ひとりごと】
とりあえずこのトピでは、第一章までうpして打ち止めにしたいと思っております。

終了まであと少しですので、それまで当トピで皆さまのお目を汚すことをお許しください。

かしこ

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