自作のショートショートを書いていく

創作・文化

101 Res. +159.88110909 MONA 8 Fav.

1 :ボウメ六段:2015/03/21 00:35:05 (2年前) +105MONA/2人

自作のショートショート(SS)を書き込んでいくトピックです。私も書いていきます。

自己満足や自信が無くても気軽に投稿していってください。
謎が多く残る作品、宣伝を目的とした作品なども歓迎です。
私も投げますが、良いと思った作品には是非投げて行ってください。きっと作者の活力になるはずです。
資金が十分ではないのであまり多く投げることはできませんが、まったり進めていきます。

2 :ボウメ六段:2015/03/21 00:35:27 (2年前) +2MONA/1人


注意点
作品はおおよそ1~2レス分(250~500字)くらいの量が目安です。あくまで目安なのでオーバーしても構いません。
投稿作品はオリジナルであったほうが嬉しいです。
割と自由な感じにしたいので二次創作も歓迎です。というか私の能力では二次創作が限界です…
電子書籍等、トピック外に投稿される可能性があります。その際は著作権等注意する必要があるため、二次創作は予めレス内で宣言して頂けるとありがたいです。
R-18な内容の場合はPinkMonaの方へ、需要あればトピ立てます。

3 :ボウメ六段:2015/03/21 00:36:03 (2年前) +2MONA/1人

ショートショートとは、とても短い文量で書く短編小説のことです。
本来の意味では原稿用紙20枚未満なのですが、本トピではより書き込んでいただけるよう更に短く設定しています。

色々書いてますが細かいことはありません。まったり楽しみましょう!

4 :ボウメ六段:2015/03/21 00:36:29 (2年前) +0.39MONA/1人

SS「宴の終わり」
私は宴が好きだ。皆が笑い、歌い、踊る。そんな素晴らしいひとときが大好きだ。
でも、宴はいつか終わってしまう。集まった人々もいつの間にかいなくなってしまう。
以前はそんな宴の終わりが嫌いだった。もっと長く続けば良いのに、と思っていた。


今は違う。
次の宴のために、宴は終わらなければならないのだ。
宴は終わるからこそ次の宴を楽しみに待つことができる。
大変だがどこか気分の高揚した宴の準備をすることもできる。

今日も宴が終わろうとしている。
誰もが「またね」と言って次の宴を楽しみにしている。

さて、私も次の宴まで楽しみに待つとしよう。

5 :iNAO五段:2015/03/21 00:44:45 (2年前) +0.39MONA/1人

「ジ・エンド・オブ・ナンセンス」
『ナンセンス。すなわち、馬鹿げた、くだらない、無意味なことを行ったものは問答無用で死刑』
 そんな、それ自体が馬鹿げていると思える法案が可決された国があった。
 ただ、告発制であったことから、法案を作成した議員と、可決した議員全員が死刑になった。
 法案を死刑にはできないので、今でも、法案だけは残っている。

ボウメさん、短歌スレではお疲れ様です。そして評価していただきありがとうございました。
その文字数ですと、掌編とか、他にはショートショートショート、極短小説と呼ばれるものになりますね。そういうのを扱った本をいくつか読んだことがあります。文字数が制限されることによって、文章が研ぎ澄まされていくとかなんとか。

6 :ボウメ六段:2015/03/21 01:03:11 (2年前) +0MONA/0人

>>5
iNAOさんならこのトピにも来ていただけると思っていました。

そうですね、ショートショートにしてはかなり短い文量だとは思いますが、この方が伝わりやすそうなのでこのトピはショートショートという呼称で統一したいと思います。

文章は短歌より書くのに時間がかかるので、短歌トピ程の勢いは期待していませんが、細く長くのんびりやっていきたいと思います。
よろしくお願いします。

7 :なのはな八段:2015/03/21 01:10:42 (2年前) +0MONA/0人

>>1
100モナを短歌運営費より寄付します。

8 :ボウメ六段:2015/03/21 01:14:06 (2年前) +1.14114MONA/1人

>>7
なのはなさん、ありがとうございます!
なのはなさんに出資して良かったと思って頂けるようなトピにしていきたいと思います。

9 :iNAO五段:2015/03/21 01:20:17 (2年前) +0.39MONA/1人

「片目の男」
 生まれつき右目の見えない男がいた。
 ある日、何を思ったか、どうせ見えないのならば両方の目を潰してしまえということで、左目を抉り取ってしまう。
 目の前の景色は大して変わらなかった。偶然にも右の目が見えるようになったためだ。
 左の目を抉って右の目が見えるならば、右の目を抉れば左の目が見えるはず。
 男はそう思い、右目を抉り取る。
 男は黒い闇に悩まされるようになった。

>>6
確かに、ショートショートが一番わかりやすいですものね。こちらこそ、よろしくお願いします。
短歌トピ(ここではスレじゃないですね……すみません)のように末永く続くといいですね。

10 :名無し六段:2015/03/21 05:54:32 (2年前) +0.114MONA/1人

転載です
 運転中に別れ話なんてするもんじゃない。
「どうしてもやり直せないのか」「無理ね。別れましょう」
 私がそう告げた途端、彼はアクセルに全体重を載せた。
「な、何するの! 危ないじゃないの!」
 だが、彼は返事をしない。スピードはどんどん加速していく。
「やめて! 何でもするから」「じゃあ、考え直してくれるのか」彼はスピードを緩めた。
「……それは、できないわ」
 彼はまたすぐに急加速する。
「や、やめて~!」「おれに触るな! ちょっとでもハンドルを切れば、すぐ壁に激突するぞ!」
「私にどうしろっていうの!?」「別れるなんて言わないでくれ」
「……だって、原因は全部あなたにあるのよ。毎日暴力を振るう、稼いだお金は全部ギャンブルにつぎ込む、浮気はやめない……。職場恋愛でつきあい始めてから3年、どれだけ私が苦労したか分かってるの? 誰が聞いても悪いのはあんたよ。ううう……」
 私の頬を涙が伝う。彼は神妙な表情をしていたが、すぐにポツリと言った。「じゃあ聞いてみようか?」
 次の瞬間、「彼は正しい!」「悪いのは貴方だ!」「別れるな!」「浮気なんか許せ」「ギャンブル最高!」「暴力バンザイ!!」
 そう口々に叫びながら飛びかかってくる数十人の人々に、私はたちまち取り押さえられた。

11 :名無し六段:2015/03/21 05:54:47 (2年前) +0MONA/0人

 私の頭をワシづかみにした一人が、目を血走らせた怒りの表情で言った。「いいから早く『別れない』と言うんです……さあ、バスガイドさん!」

12 :ボウメ六段:2015/03/22 00:37:12 (2年前) +0MONA/0人

>>10
転載のアナウンスありがとうございます。
オリジナルよりは少なくなりますが、モナを投げさせていただきます。

著作権云々のトラブルはできるだけ避けたいので、転載のアナウンスはとても助かります。

13 :Pearl六段:2015/03/22 01:26:59 (2年前) +0.39MONA/1人

問題。次の方程式の整数解を求め、w+x+y+zの最小値を求めよ。
92w+82x+52y+2z=410

郵便局の開いていない土曜日。
定形外郵便、速達。切手は貼られていない。
コンビニで切手を買ってそのままポストに入れるはずだった。
レジには可愛い女の子。研修中の名札を付けていた。この研修中の女の子を困らせることになってしまった。
「410円分の切手を下さい」
「はい、しばらくお待ち下さい」
恐らく彼女が初めて取り出したであろうファイルに、
あまりにも厳選されすぎた4種類の切手シート。
「…どうしましょう」
不器用な二人は、他の店を当たろうとも言えないでいた。
92円、82円、52円、2円切手を可能な限り少ない枚数で組み合わせて410円を作れ。
レジを挟んで考える二人。3分後、答えをどうにか出した。10枚の切手を貼れる程度のスペースはあった。許してくださいKさん、

14 :ボウメ六段:2015/03/22 01:29:55 (2年前) +0MONA/0人

>>13
今更遅いですが82円5枚で行けますねw

15 :Pearl六段:2015/03/22 01:39:04 (2年前) +0.114MONA/1人

これ以外に方法はなかったのです。多分。

「ごめんね、迷惑かけちゃって。ありがとう。」
コンビニの店員にありがとうなんて言ったのは多分初めてだ。
「いえいえ、こっちこそごめんね。」
コンビニの店員にタメ口で話されたのも初めてだった。その後見せた彼女の照れ笑いに一目惚れしたのは言うまでもない。

16 :Pearl六段:2015/03/22 01:41:24 (2年前) +0MONA/0人

>>14
(゚o゚;
実体験なのを中途半端にアレンジしようとしたのが間違いでした…
その時は390円でした。

17 :Pearl六段:2015/03/22 01:47:52 (2年前) +0MONA/0人

ついでに2レスに渡ったの、変なとこでレス区切られたのはただ間違えて送信ボタンを押しちゃっただけです。意味なんか一切ないので気にしないでください

18 :ボウメ六段:2015/03/22 01:54:56 (2年前) +0MONA/0人

>>16
92円+82円×3+52円
なんて計算してしまうと、きっと店員さんのかわいい表情は見ることができなかったですね。
とても貴重でうらやましい体験です。
実体験をもとにSSができるなんてすばらしいですね!

19 :名無し六段:2015/03/22 08:45:12 (2年前) +0.114MONA/1人

四人が赤白どちらかの帽子を被っています
赤白共に、一人以上被っています
自分の被っている帽子の色は分かりません

以上の情報を伝えたところ、一人だけが自分の被っている帽子が赤だと気づきました
さて、四人はそれぞれ何色の帽子を被っていたのでしょうか?

20 :iNAO五段:2015/03/22 09:13:38 (2年前) +0.39MONA/1人

「広告」
 『四月一日。場所は、中央街四番町一丁目、サンエィビル四〇一号室。良ければ、どうぞ』
 男はそんな内容の広告を新聞社に送り、ナイフを持って自室で待機する。やがて、部屋のインターホンが鳴った。
 四月馬鹿か、それともお人よしか。
 何にせよ、広告の効果は偉大だと思いながら男はドアを開け、ナイフを自分の胸に突き刺した。
 鮮血がドアの前にいた利口な犬に掛かり、男は驚愕の表情を固定したまま絶命する。
 居たたまれなくなった犬は男の死体を引きずり、男の部屋の窓から投げ落とした。

>>19
白3赤1でしょうか。白を被っている人からは赤が一人なので確定できず、唯一赤を被っている人だけは自分以外が白なので確定できる。

問題文も文章ですし、これはこれで面白いですね。自分のほうがクイズトピと間違えたかな? と思ってしまいましたが。

21 :ボウメ六段:2015/03/22 16:06:23 (2年前) +0MONA/0人

>>19
確かに問題文も文章ですね…

もし可能なら問題を一部に組み込んだショートショートなんかにしてもらえると嬉しいです。そうでないとクイズトピになってしまうかもしれませんので…

誰かが出題していて、その時の聞き手の様子

といったくらい単純なものでも構いませんので。少しでも物語的な要素があればより楽しめるのではないかと思います。

22 :iNAO五段:2015/03/22 23:49:26 (2年前) +0.39MONA/1人

「人造の時代」
 手から、鉄の匂いがする。
 何故だろう。
 そう思って、もう一度匂いを嗅ぐ。
 間違いない。私の手から、鉄の匂いがする。
 何故だろう。どうしてだろう。
 両手を見るが、血は付着していない。ここ最近は、鉄に触るような仕事もしていない。
 なのにどうして鉄の匂いがとれないんだろう。
「ロッサム! 仕事の時間よ!」
 雇い主の私を呼ぶ声に、はっとする。
 そして、どうして鉄の匂いがするのかを、思い出した。
「呼んだらすぐに来なさい。この役立たずのロボット!」

23 :iNAO五段:2015/03/24 16:37:33 (2年前) +0.49MONA/2人

「借り手」
 手を貸してくれと言われて、頷いたら手を持っていかれる。そんな話が、昔流行ったことがある。
 それを聞いたとき、僕が思ったことは、手をどうするのだろうか、というものだった。
 その日、僕は買い物を済ませ、家に帰る途中だった。
 時刻は午後七時過ぎ。空は群青に染まっていた。季節柄、少し日は長かったが、それでも視界はすでに狭くなっている。
 すると、何かに躓き、買ったものを地面にばら撒いてしまった。しゃがみこみ、拾い集める。
「大丈夫ですか?」上品な女性のような声が背後から聞こえた。
「あ、大丈夫ですから」視線を下に向けたままで言う。「気にしないでください」
「手を、お貸ししましょうか」
 手を貸すという言葉に、思考が引っかかる。シチュエーションは逆だが、もしかしたら、手を押し付けられるということもある。体が少し緊張した。
「本当に、大丈夫ですよ」荷物を纏めて深呼吸をする。
 意を決して振り向いた。そこには、小さな三毛猫が一匹座っていた。
「本当に大丈夫ですか?」三毛猫は言った。耳が少し動く。「ほら、言うじゃないですか。猫の手も借りたいって」

頑張って一日一話とかやってみたいけど……うーん。

24 :ちくわぶ六段:2015/03/24 19:29:28 (2年前) +0.39MONA/1人

【テスト返却】

「今朝やった小テスト返却するぞー」
 先生がそう言うと、生徒達はすぐ教卓の前に列を作る。急にそわそわし出す者、自身満々の笑顔を見せる者、もう既に諦めている者。いろんな奴がいる。
 先生から答案を受け取って自分の席に帰ると、隣の席の奴に声をかけられた。
「なあ、今回のテストどうだった?」
「60点。まあまあだな。お前は?」
「それがだな、実は20点しかなかったんだ」
 彼は妙に不思議そうな表情を浮かべながら言った。
 実は、このテストは四択問題。適当に書いても期待値は25点だ。
「昨日は結構練習したのになあ」
「練習?何の?」
僕がそう聞き返すと、彼は自信たっぷりにこう言った。
「鉛筆を転がす練習を、小一時間ほどな」

25 :名無し六段:2015/03/24 23:13:39 (2年前) +0.39MONA/1人

別れ

昨日別れを済ませてきた。
君と会ったのは四年前だったね。
友人の紹介で君に出会って、見た瞬間から君の虜になった。
その日から、君といつも一緒だったね。
ディズニーランドに行ったり、グアムに行ったり。
その時の写真、今でも宝物だよ。

そんな

26 :名無し六段:2015/03/24 23:17:50 (2年前) +0MONA/0人

失礼しました。続き

そんな楽しい日々も、昨日で終わってしまった。
正直言うと、今僕の隣には新しいパートナーが居るんだ。
君は薄々気付いていたかもしれないね。
このレスも新しいパートナーから書き込んでいるよ。
iPhone6でね。

27 :iNAO五段:2015/03/25 22:09:27 (2年前) +0.39MONA/1人

「落ちる鳥は、飛ぶ鳥の幻想を見るか?」
 天地創造の際、鳥に羽を渡す仕事を終えた天使は、人間に羽を渡す仕事を神から請け負った。
 しかし天使は羽を人間に渡すことができなかった。
 何故かって?
 貴重な肉である鳥を空へと飛ばした報いを受けて、頭をカチ割られたのさ。

28 :ジェンツーペンギン初段:2015/03/25 23:53:12 (2年前) +0.39MONA/1人

この部屋にはいろんなものがある.箱を動かそうとして集めたものだ.
すぐに青くなる窓,かじられたりんご,枝分かれしたペンギンの置物,それに悪魔の魔法陣.
おれは依然として動かない箱の前で頭を抱えた.

29 :ショボ-ン八段:2015/03/26 00:42:33 (2年前) +0.39MONA/1人

あるところにAさん、Bさん、Cさん、Dさんがいました。
4人はホテルの部屋割りついて話しています。

A「Dと同じ部屋でもいいけど、BやCと同じ部屋は嫌だ。」
B「Aと同じ部屋になってもいいが、Cと同じ部屋になりたくない。」
C「Dと同じ部屋になるのは嫌だ。」
D「Bと同じ部屋になってもいいが、Aと同じ部屋になりたくない」

さて、部屋の人数が等しくなるように部屋を分けるにはどうすればいいのか。できれば、同じ部屋になってもいい、と言っている人と同じ部屋にしてやりたいものだ。
(同じ部屋になりたくない、と言っている人と同じ部屋になってはいけません)

30 :有栖@絶望少女六段:2015/03/26 00:45:46 (2年前) +3MONA/1人

額面道理に取るなら全てバラバラ
とんちならAとBの組み合わせとCとDの組み合わせで二部屋(AC,BDでもOK)

31 :ショボ-ン八段:2015/03/26 00:57:45 (2年前) +0MONA/0人

>>30
答えは全員バラバラ、とんちだとAC,BDです!
少しですがっ賞金

32 :ボウメ六段:2015/03/26 01:02:51 (2年前) +0MONA/0人

なるほど、嫌なら同じ部屋でもおkということですか。

33 :ボウメ六段:2015/03/27 01:10:11 (2年前) +0.39MONA/1人

SS「人間」
地球に生息する人間という存在は実に不可解だ。
生きるのに必要ないものばかり充実させようとする。
戻ることのない過去を探し、体験することのない未来を予想し、起こりえない空想に泣き、笑う。

生き残るために必要な情報をタブー扱いし、触れるようとするものを排除する。
生物としての使命を終えてもなお長く生き、最後はなぜか多くの人間に見送られる。
一番恐れているはずの死を目の前にして大半の人間は感謝し、幸せだったと言う。

全くもって不可解であるが、そんな人間は私なんかより毎日楽しそうに生きている。

34 :なのはな八段:2015/03/27 01:29:45 (2年前) +0.39MONA/1人

「何が宝か」

「世界一うまい飲み物は何だと、いつの日か世界の重要人物を集めて議論された。世界中の飲み物が集まるその場所で、さて、あのジュースがうまい。このお茶が一番だろう、あそこの山の水は最高だと、いくつも候補が挙がり議論された。それはもう長時間に渡る会議だった。いつになってもまとまらない話を、ある一言がその会議を終わらせた。「なにを言ったって、汗を流した労働の後に飲むビールが世界で最高の飲み物だろう。」と。あたりは時間が止まりまた動き始めたときにはそこにいる全ての人がそうだそうだ、その通りだと納得し会議は終わった。さて、俺はお前らに最高の飲み物を味わって欲しい。いいだろう?今度の飲み会に来てくれよ。」

「ああその日うちの猫が家に一人なんで早めに帰るので欠席でお願いします。」

35 :iNAO五段:2015/03/27 22:18:36 (2年前) +0.39MONA/1人

「地平条約」
 そりゃがんばったさ。
 大きく譲渡したさ。俺の体を使っても良いと。
 だが、その結果がこれだ。
 髪は切られ、肌は削られた。
 こちとら慈善事業でやってんじゃないんだよ。
 俺を崇めるって言うから、初めは承諾してやったんだ。
 それが今はどうだ?
 怒りに震え上がっても平気な顔。
 おまけに血液が飛び出しても平然としてるじゃないか。
 もう駄目だ。限界だよ。
 あいつらは増えすぎた。
 人間って言うらしいな。あんたらの言葉じゃ。

ボウメさんのパク……インスパイアです。

36 :なのはな八段:2015/03/28 02:51:29 (2年前) +0.39MONA/1人

「あなぐらのピアニスト」
昼間は仕事だから無理だし、夜もうるさくするといけないからピアノが弾けない。休みの日は朝から弾いてるけど、やっぱり平日も弾きたい。ずっとピアノが弾ければ嬉しいけど生活の為に我慢しなくてはいけないの。イヤホンつけてキーボードを弾く。思いついたときは神のお告げではないかと感じていた。
平日の夜はイヤホンをつけてカーテン閉めて、密閉された空間で無音の一人演奏会を開く。
「ああ、これを聴きたい人はいっぱい居るのではないか?」と思う。
そしてあなぐらのピアニストは一人ではないのかも・・・?
もしかしたら複数実際に居ると思う。なのはな。
ssというかしまりのないただの駄文です。

37 :ボウメ六段:2015/03/29 23:25:32 (2年前) +0.2MONA/1人

SS「魔法使いにあこがれて」
魔法使いにあこがれていたら、突然魔法使いを名乗る少女が現れた。
またとない機会だと思い、その魔法使いに魔法を教えてくれと頼み込んだ。
魔法使いは「折角の機会だし、君のいる世界を案内してほしい」と言った。
そんなのお安い御用と丸一日かけて街中を案内してあげた。
魔法使いは目を爛々と輝かせていた。

次の日、いざ魔法を教えてもらおうとしたら、「私に教えられることは何もない」と言われてしまった。
理由を聞くと彼女はこう答えた。
「だってお金さえ払えばいつでも空を飛んで好きなところへ行けるし、呪文を唱えなくても火を灯すことができる。そして「すまほ」というものがあれば世界中の誰とでも顔を見て話すことができる。魔法なんかより便利な世界じゃない。」

38 :なす六段:2015/03/30 00:16:38 (2年前) +0.39MONA/1人

買い物帰りの交差点で、車が炎上していた。白のBMWだったと思う。高いのに勿体無いないなあ、と思いながら眺めていた。
BMWって白が一番格好良いとぼくは個人的に思う。金持ちの知人はそれを知ってか親の金で買った真っ白なBMWを自慢していた。
傍で女がすすり泣いていた。車の所有者だろうか、いやその恋人だろうか。見覚えのないはずの後ろ姿に何故かデジャヴを感じた。
車が燃えるのをぼうっと眺めていたけれど、暫くして消防が来たら野次馬が急に減り始めた。ぼくはとぼとぼと商店街へ歩き出した。

39 :iNAO五段:2015/04/01 22:30:20 (2年前) +0.39MONA/1人

「四月の嘘は甘い」
 U氏は愚痴聞き屋である。子供の小遣い程度の料金で一時間ほど相手の話を聞く仕事だ。
 彼の聞き手としての才能は確かなもので、週末にもなると小さなテントに人が列を作る。
 カレンダで四月一日という日付を確認したU氏は、ほくそ笑む。今日は最も稼ぎ時だからだ。
 開店の看板をテントの傍に立てると一人目の客が入ってきた。
「いやあ。お久しぶりです」男は頭を下げながら椅子に座る。
「今日はいかがなされましたか?」
「実はですね。私、タイムマシンを作ることに成功したんですよ」
 そう言うと男は鞄から資料を取り出し、何やら理論の説明を始めた。それはきっかり一時間で終わる。
「どうでしょう?」男は資料を片付けながら訊いた。
 U氏は微笑む。「そうですね。良い嘘だと思いますよ。一瞬、信じてしまいそうになりました」
 男は頭を下げてテントを出ていく。あの調子なら大丈夫だろうとU氏は思う。
 U氏は仕事上、聞いた話は絶対に他人に漏らさない。そのことを知っている客は、彼を嘘の練習に使う。
 幾つもの優しい嘘を聞くことができるだろうと思いながら、U氏は次の客を呼んだ。

40 :iNAO五段:2015/04/08 22:34:36 (2年前) +0.504MONA/1人

「初めての始まり」
 科学者のM氏は研究に行き詰ると愚痴聞き屋に足を運ぶ。愚痴聞き屋とは、僅かな賃金で愚痴を聞いてくれる職業である。
 目印である紫色のテントを見つけてM氏が近づくと行列の中に桜色の髪をした女性がいた。
 咄嗟にM氏は背を向けてその場から離れる。M氏は彼女と交際しているのだ。
(一体、何を隠れる必要があるというんだ?)
 M氏は女性の前では冷静で理知的な振る舞いをしているつもりだ。つまり、そのイメージが崩れるのが怖いという心理が働いているのかもしれない。
 恐る恐る行列に視線を向けると女性の姿はなかった。見失ったかとM氏が目を凝らすと、背後から肩を叩かれる。
 振り向くとそこには桜色の髪をした彼女が立っていた。M氏は目を見開く。
「どうかされたのですか?」女性が言った。
「いや、この近くに愚痴聞き屋というものがあると聞いてね。ちょっと気になっただけだよ」M氏は早口で言う。
 すると女性が口元を手で押さえて笑った。
「私、Mさんを初めて見かけたのは、この行列ですのよ」
 彼女の言葉にM氏は苦笑するしかなかった。照れ隠しに頭を掻く。
「まったく、君には敵わないな……」

41 :ボウメ六段:2015/04/08 22:54:43 (2年前) +2MONA/1人

iNAOさんいつもありがとうございます。

一つお知らせです。
短歌トピが無事1000レスに達し、創作意欲を持て余している方へ。
只今短歌トピが立つまでの間、期間限定で投げるモナを少し増やしております。
0.39→0.504  (0.39+0.114)
0.114→0.228  (0.114+0.114)
こんな感じです。

42 :iNAO五段:2015/04/10 00:18:47 (2年前) +0.504MONA/1人

「いつかの過去:春」
 ある日B氏は道端に座り込む少年を見かけた。その傍らには「交換屋」という札が立っている。
「交換屋というのは何を交換してくれるんだい?」B氏が尋ねた。
 少年は無言でB氏を睨むとバッグから形の整った桜の花を取り出した。
「それに見合うものを渡せということかな」
「金」少年が呟いた。
 B氏は肩を竦める。ポケットを探ると、一枚の紙が指先に触れた。彼は少年にそれを差し出す。少年は眉根を寄せてB氏を睨んだ。
「これはペーパウォレットと言って、紙幣のようなものだ」
「いくらになる?」
「さあ……でもいつか、これ一枚で愚痴を聞いてもらえるようになるかもしれない。これは、そういう可能性を秘めているんだよ」
 少年はB氏とペーパウォレットを交互に見る。すると少年は桜の花を差し出した。
「交換成立ということで、いいのかな」
 B氏は笑みを浮かべてペーパウォレットと花を交換する。立ち去ろうとすると少年が立ち上がった。
「monacoinで調べてごらん。その中には1Mona入っているから」B氏は言う。
 桜の花を弄りながら去っていく彼の背中を少年は姿が見えなくなるまで見届けた。

43 :太刀鋼二段:2015/04/11 00:25:40 (2年前) +0.4649MONA/1人

ふらりと視界がゆれた次の瞬間には、いつもの灰色掛かった街並みとは程遠い、極彩色の奇抜な世界に目眩がした。
あまりのことに世界が歪んで見えるのか、はたまた、もともと世界が大いに歪んでいるからそのように見えるのかは分からないが、いずれにしても到底視力には良い景色とは思えない世界は、ギラギラと輝きを増しながら私の眼床を焼いている。
そもそも、ここまで鮮やかに彩られてしまっては私自身が立っているのか、座っているのかすらどうにも判断がつかない。只ひたすらにチカチカと眩くうねるような景色、というものに圧倒されて言葉もないのだ。

急に激しい頭痛と吐き気に襲われて、私はその場でもどした。目を閉じればまるで激しく回転しているかのような、ひどく平衡感覚が狂った状態であることに気づく。

フラフラと両手を地面に添えて座り込み、アスファルトの感触に気付いて目を開ければ、そこはいつもの寂れた路地裏だった。

44 :太刀鋼二段:2015/04/11 00:29:26 (2年前) +0.114MONA/1人

初めまして、よろしくです。
オチのあるなしに関わらず、何となくで書かせていただきます。
書くことが好きなだけの凡人ですが何卒。

45 :ボウメ六段:2015/04/11 00:44:51 (2年前) +0MONA/0人

太刀鋼さん、よろしくお願いしますー
他のトピックと比べるとテンポはゆったりですが、楽しんでいってください

何となくの作品も大歓迎です

46 :iNAO五段:2015/04/13 22:45:25 (2年前) +0.504MONA/1人

「その悪魔の名は」
 D氏はmonacoinのマイナである。彼は熱と音を発する大量の機材を眺めてため息を吐いた。
 彼が初めてmonacoinに触れたときはまだ今の機材で十分な量の採掘を行うことができたのだが、最近はそうもいかなかった。
「どうにかならないものか……」D氏はパソコンでシェアを確認すると再びため息を吐いた。
 すると採掘に使用していないパソコンの画面から悪魔が現れる。突然のことにD氏は腰を抜かした。
 悪魔は採掘用の機材を一瞥し、口元に笑みを浮かべるとD氏を見る。
「初めまして。Dさん。あなたがmonacoinの採掘を行っていると聞いて、伺いました」
「今時の悪魔はそんなことも知っているのか」D氏は悪魔が現れたことよりも仮想通貨を知っていることに驚く。
「何か問題でも?」悪魔は小首を傾げる。「地獄もこちらと同じように不景気でしてね。我々も仮想通貨を利用しているのですよ」
「なるほど。それで、俺のところに出てきたのは何故だ。理由があるのだろう?」
 悪魔はゆっくりと口角を吊り上げた。
「あなたの機材を採掘シェア、ナンバ・ワンにしてあげましょう」

47 :iNAO五段:2015/04/13 22:45:47 (2年前) +0.1MONA/1人

「どういうことだ」D氏が悪魔に問う。
「簡単なことですよ。あなたの機材で最もmonacoinが採掘できるようになるということです」
「その代価に魂を持っていかれるとか、そういう落ちだろう?」D氏は訝しんだ。
「いえいえ。あなたは健康に長生きしますよ」
「じゃあ電気代が馬鹿に高くなるのか」
「電気代はさほど変わりません」
「なら、俺が一位の間、おまえたちはどうするんだ?」
「我々が今現在所有している機材を休息させます。もちろん、あなたの機材の採掘量を抜かない程度にですが」
 しばしD氏は俯いて黙考し、やがて顔を上げた。「いいだろう。その提案、受けようじゃないか」
「では、契約成立ですね」
 悪魔が手を差し出してくる。D氏がそれを握ると悪魔は満面の笑みを浮かべた。
「最後に名前を教えてくれないか」
 D氏が尋ねると、悪魔は自身の名前を耳打ちする。そして次の瞬間、悪魔と、D氏の部屋にある機材がすべて消え去った。
 今も彼の下には機材があった頃と同等の電気代の請求が届く。
 きっとあのGura(あくま)の部屋で採掘に使われているのだろうとD氏は思っている。

48 :太刀鋼二段:2015/04/14 13:10:00 (2年前) +0.50514114MONA/2人

ぱらぱらいう雨音が屋根を叩く。

今日は何も予定がないから、天気を気にする必要はない。けれども、窓越しに見える空模様をそれとなく気にかけてしまうのはなぜなのか。

本を読む手を止めて、ぼうっと曇り空を眺め入る。

子供の頃は、雨が降ってもそれほど気にならなかったように思い出す。傘と黄色い長靴を泥んこで汚しながら、流れる雨水を堰き止めて遊んだものだ。さらさらと流れる砂質の土を、粘土質の土で固めてダムを作り、さも芸術大作を拵(こしら)えたかのように満悦していた。

やがて雲の切れ間には光が差し込んで、シャワーのように空を彩る。本に目を向けると、再びページをめくり始めた。

ーーワタシの人生は今どの辺りなのか。

半分ほど読み進んだ本を手に、そんなことを考えながら。

49 :太刀鋼二段:2015/04/15 19:01:02 (2年前) +0.504MONA/1人

「失敗」

あぁっ!

また、やってしまった!

ほんの少し注意していれば直ぐにでも気付けたミスなのに、いつもいつも失敗してしまう。今回の脱字にしたって、先ほど見直した筈なのにこの為体(ていたらく)だ。

アップしたばかりの投稿を見ながら、冒頭の脱字に自責の念にかられる。まったくこんな自分には、ほとほと嫌気が指す。

昔から些細な事を気にしない大雑把な性格が災いして、ちょくちょく見落とすことが多かった。
道を歩けば擦り傷や服のほつれがいつの間にか増えていて、何かを二つ以上抱えると、何か一つは忘れてしまう。
忘れ物も多く、財布や鍵・傘を忘れることなどしょっちゅうだ。先日も会社にメガネを忘れてしまって、自宅で作業するのに大いに難儀したところだ。

…気を付けなければらならい。

50 :ボウメ六段:2015/04/18 13:47:42 (2年前) +5.9MONA/2人

お知らせです

最近私が忙しく、モナを投げるのが遅くなってきています。

私がトピックで書き込む頻度も落ちてきているので、せめてモナを投げることで貢献していきたいと思います。

そこで、期間限定としていた投げモナの増額を、私がきついと感じるまでに延期したいと思います。
皆さんじゃんじゃん書き込んでいってくださいね!

51 :有栖@絶望少女六段:2015/05/04 22:24:38 (2年前) +0.504MONA/1人

最近、動物園に行った時のお話(実話)です。
外国人の親子が、色々な動物を見ていました。
子供が、「あれは何?」と聞くと、親御さんが「あれは〇〇だよ」と、〇〇の部分を流暢な英語で答える姿は微笑ましかったです。
で、ある檻の前に子供が走って行って、「あれすごく面白い!」と言ったんです。
で、母親が「この子はホースを見て喜ぶなんて、変わってるわね」と言いました。
馬を見て喜ぶのがそんなに変わっているのかと思って、私もその折の中を見てみると
中に居たのは「horse(馬)」ではなく「hose(水などを通すホース)」でした。

52 :ボウメ六段:2015/05/05 01:08:36 (2年前) +0.00114114MONA/1人

「人生の線引き」
誕生の点から息絶える点まで、その位置は決まっている。
その2点を貴方は好きに結ぶことができるとしよう。

ある者は一直線に線を引き、心地よい疾走感と共に息絶えた。
ある者は何度も曲がり曲がった線を引き、充実した表情で息絶えた。

さあ、君はどんな線を引いてくれるのかね。

53 :名無し六段:2015/05/05 01:29:16 (2年前) +0.228MONA/1人

86,400ドルのプレゼント
もし、こんな銀行があったら、あなたはどう利用しますか?
それは、奇妙な銀行です。この銀行にお金を預けても、利子も付きませんし、お金を借りる事も出来ません。
しかし、その銀行は、 毎朝あなたの口座へ86,400ドルを振り込んでくれます。口座に振込むと同時に、あなたの財布に全て引き出され、それをあなたは自由に使う事が出来ます。しかし、このお金は「魔法のお金」で、あなたが使い切っても、使いきらなくても、24時間で消えてしまいます。そして、0時になると、また86,400ドル振込まれます。これが毎日続きます。
あなただったらどうしますか。もちろん、毎日86,400ドル全額を引き出しますよね?
この奇妙な銀行を、実は、私達一人一人が持っているんです。
それは「時間」という銀行です。

54 :名無し六段:2015/05/05 01:30:21 (2年前) +0MONA/0人

コピペでした。

55 :iNAO五段:2015/05/07 23:54:16 (2年前) +0.50514114MONA/2人

群馬県で列車に接触した男が一人死亡した。
事故が起こったのは高さ四十メートルほどの谷間に掛かる高架橋上だった。
乗客の証言によれば男は線路上を歩いていたのではなく谷底から棒高跳びの棒を使って飛び上がって来たという。
谷底を調べてみると確かに折れた棒が発見されたが、繋げて見たところ競技用のそれとなんら変わらない長さであった。

56 :iNAO五段:2015/05/23 23:46:38 (2年前) +0.504MONA/1人

「L氏と絵画」
 聡明なL氏のもとに儲け話に目がない友人が訪ねてきた。友人に連れられてL氏は近所の喫茶店に入る。
 上機嫌な友人を見てL氏は何があったのかと訊ねると友人は自慢げに語った。
「日本で行方不明になっていたベクシンスキーの絵を一枚手に入れられることになったんだ」
 友人はスマートフォンに保存された証拠の写真をL氏に見せる。その絵画は確かにベクシンスキーの画風に似ていた。
 額縁にはめ込まれたその絵はポーランド語で「闇」を意味するタイトルが付けられている。
「今ならこの絵を五千ドルで買えるという話があるんだが、今ちょっと手持ちがなくてね。そこで君に少し協力をしてもらいたいんだよ。もちろん、絵が売れたときには利益の半分を君に渡す」
 L氏はしばらく写真を見ていたが、スマートフォンを友人に返し、席を立った。
「待ってくれ、何が気に入らなかったんだ」友人が言う。
 L氏は振り向いて指摘した。「君がベクシンスキーに興味がないということと、その絵は九分九厘、偽ものだということかな。騙される前に手を引いたほうが良い」

 L氏は何故、絵画が偽ものだと断定したのだろうか?

57 :iNAO五段:2015/06/03 23:18:24 (1年前) +0.504MONA/1人

「梅雨の逢瀬」
 夕方のビルの入口で雨宿りをしていたO氏は見知らぬ女性に肩を叩かれて振り向いた。
「傘が、ないのですか?」女性はO氏の風体を一瞥して首を傾げる。
「ええ。でもこの雨脚なら時期に止むでしょう」
 雨はO氏が入口に来た時よりも弱まっていた。
「あら、さっき見た天気予報だと、このまま夜まで降り続けるそうですよ。ほら」
 女性は持っていたハンドバッグから情報端末を取り出すとO氏に見せる。
「……どうやらそのようですね」
 O氏は頭を掻く。今日は顔も知らない許嫁との顔合わせの日だった。幸い、連絡は済ませてあるので先方に迷惑が掛かることはない。
 どうしたものかとO氏が空を見上げていると女性が再びO氏の肩を叩いた。手には折り畳みの傘を持っている。
「一緒に入っていきませんか?」女性が言った。
「そういうわけには……その傘は小さいでしょう」
「でも、一つの傘で二人がずぶ濡れにならないのは、素敵なことだと思いませんか?」目を細めて女性が艶やかに笑った。
 女性は傘を差すとビルの外に足を踏み出す。そしてO氏に向かって手招きをする。その少女のような振る舞いにO氏は笑みを浮かべた。

58 :iNAO五段:2015/06/03 23:18:42 (1年前) +0.114MONA/1人

 湿った空気を割くように肩を寄せ合って二人は雨の中を歩く。O氏の懸念通り傘は小さくお互い窮屈な格好をしている。
「狭くないですか?」女性がO氏を見上げた。
「ええ。傘、持ちますよ」
 O氏は女性から傘を受け取り彼女の方へと傾ける。それから駅までは他愛のない会話をした。言葉を交わすたびにO氏は女性をとても魅力的に感じていた。
「結婚のご予定があるんですね」O氏が言った。
「ええ。まだ顔も見たことがないのですけれど、とても素敵な方だとお聞きしております」
「それは羨ましい。こんなにも可憐な人と結婚できるなんて……あ、可憐なんて、ちょっと気取ってましたかね」
「いいえ。とても素敵だと思います」
 やがて、駅に着く。O氏が濡れたスーツについた水滴を払っていると女性がハンカチを差し出してきた。
「お使いになってください」
「大丈夫ですよ。これならすぐ乾きます」
「将来の夫がそんな恰好では、示しがつきませんもの」
 O氏は眉根を寄せて女性を見る。
「初めまして、Oさん。私、Qと申します」女性は小さく頭を下げる。
 その名前は、O氏がこれから会う予定の許嫁と同じだった。

59 :iNAO五段:2015/06/09 23:15:02 (1年前) +0.504MONA/1人

「親知らず」
 寝台列車の二段ベッドの下の段で僕は寝ている。列車の振動から来るまどろみと戦いながら、この間生え終わったばかりの親知らずを舌で弄っていた。
「ねえ」
 上の段で寝ていたらしい少女が僕のいる下を覗き込み声を掛けてくる。
「あんた。親知らず生えたでしょう」
 歯を剥き出して笑う少女の歯は溶けていて、矢じりのように尖っていた。
 こうなりなくはないなと思いつつ、僕は少女の質問に答える。
「うん。それがどうかした?」
「気を付けなよ。親に生え終わったことを知られたら、抜かれるから」
「何だって?」
 僕が聞き返すと、少女はくすくすと笑いながらベットの上へと体を戻した。カーテンの閉じる音が聞こえた。
 少女が何を言ってるのか分からなかったが、僕はベッドから降りると家にいるはずの家族に電話をする。
「あ、父さん」
 電話に出たのは父さんだった。どこか息が荒いように感じられる。
「ああ……、お前か。どうだ、旅は楽しいか」

60 :iNAO五段:2015/06/09 23:15:21 (1年前) +0.114MONA/1人

「うん。楽しいよ。ねえ、父さん。もし僕に親知らずが生えてたらどうする?」
 僕の質問と同時に、ヒッと電話越しの父さんが情けない声を上げる。目を見開いて驚愕しているような気がした。
「お前……、生えたのか? ああ、いや、答えなくて良い。答えなくて。親は知ってはいけない。いけないんだ」
 早口に、自分に言い聞かせるように父さんが言う。声も震えていた。
「昔。そう、昔の話なんだが、その……、が生えたことを親が知ると、災いが起ると信じられていたんだ。それを解くには、それを、抜かなくちゃならなくて……。もちろん、俺は信じてない。だが、まだお前のばあちゃんとかは信じててな……」
 そこまで聞いたところで電車がトンネルに入る。轟音が電話を聞き取り辛くする。電話の向こうで父さんが叫び声を上げているのが聞こえた。それに混じって母さんの金切り声も聞こえる。
 何があったのだろうかと思い、僕は受話器に話し掛ける。
「どうしたの? 父さん!」
 電話はそこで切れてしまった。もう一度掛けようと財布に手を伸ばす。肩に手を置かれ、振り向くとそこにはさっきの少女が立っていた。
「何か用?」
「あんたの親父、あんたに親知らずが生えたことを知ったね? 不幸が起こる。だから、その前に……」
 口を大きく開けて甲高い笑い声とともに少女は姿を変えていく。それは段々としゃがれた声になり、僕の良く知っている祖母の姿になった。
 大きく開けた口の中に、親知らずは見当たらなかった。

61 :iNAO五段:2015/06/27 22:57:36 (1年前) +0.5154114MONA/2人

『動く』
 大きく荘厳な雰囲気の門の前で神の判決を待っている男がいた。
「判決を下すまで、静粛にせよ」神が訊ねた。
「はい」男が震えた声で返事をする。死ぬまでの所業を思い返してみると、善人とは言い難かった。
 神は帳簿のようなものをめくり、男の顔を見る。
「お主は、上だ」
「上?」男は見上げる。見えるものは空だけだった。
「そう、上だ」神は男を一瞥すると人差し指で天井を指す。
「やった!」
 男は喜び、小躍りする。空には天国があると幼いころから聞かされてきたからだ。
「ま、本人が喜ぶなら良いけどね……」傍らにいる男を連れてきた天使が呟いた。
「何言ってるんだ? 上と言えば、天国じゃないか!」
 興奮気味の男に天使は目を細める。
「あんたは知らないだろうけど、この間、天国と地獄は入れ替わったんだよ、今は、下が天国で、上が地獄だ」
 門が音を立てて開き、言葉に出来ないおぞましい光景が男の目の前に広がった。

62 :iNAO五段:2015/06/27 22:59:12 (1年前) +0MONA/0人

人がいなくて寂しいのでこのレスから先着5人分のSSに1モナ投げます。ジャンルは特に問いません。
>>2にもあるように二次創作であったりコピペである場合は明記していただけると助かります。
また、二次創作の場合は0.5モナ、コピペの場合は0.1モナに減額します。オリジナルが好きなので、オリジナル作品優遇で。

63 :ボウメ六段:2015/06/27 23:41:15 (1年前) +0MONA/0人

>>62
iNAOさんいつもありがとうございます。
私の力が至らず、申し訳ないです。

iNAOさんにも参加いただけるよう、私も先着5作品に1モナ投げます。
オリジナル、二次創作は1モナ。コピペは0.1モナです。

ご参加お待ちしています。

64 :なのはな八段:2015/06/29 00:52:53 (1年前) +2.00004971MONA/3人

1レスの文字数制限を超えてしまっているので複数に分けての投稿です。
原稿用紙5枚を超えてしまった・・・ショートショートじゃなく短編になってしまいました。改行数が限られているため読みずらくて申し訳ありません。

「ブロックチェーンタイムトラベラー・さとなかもとし」

今から9年先の2025年、ビットコインという暗号通貨から始まったブロックチェーン技術は、人類の進化の歴史として見える貨幣から見えない貨幣へと進化させ、概念を覆し銀行システムはもとより、信用を重要視されるあらゆるものに革命を起こした。
そして遂に謎の日本人さとなかもとしという研究家が長年の人類の夢を叶えようとしていた。時間とは最も信用を必要とするものである。それをブロックチェーンを用いて記録された時代にリアルな自分自身を送ってしまうのだ。ビットコインが発明された2009年までなら遡れるタイムトラベルである。暗号通貨の特徴であるブロックチェーンを使い、記録された時間にならばその時代にタイムトラベルが出来るという実験の最終段階である。
さとなかもとしという暗号通貨の研究者が、その技術を応用し、ブロックチェーンで繋がれた時間にならタイムトラベルが出来るという技術を使い過去に来た。ただ、その時代に行けるというだけで、場所はどこになるかは不明である。
2015年
さとなかもとしがタイムトラベルした場所は日本の山の中だった。それが分かったのは木々の間から遠くに富士山が見えたからである。
「日本か、運がいいぞ。山の中ではなく都会のほうが良かったけどな。まずは人のいそうなところへ行こう、水と食べ物を確保しなきゃ。」3時間をかけてやっと見つけたのは古くて小さな商店だった。

65 :なのはな八段:2015/06/29 00:56:16 (1年前) +0.00114114MONA/1人

「すいません、開いていますか?」商品が置かれた狭い店内には誰も居なかったので大きな声で聞いてみた。奥から出てきたのは若い女の子だった。歳にして高校生くらいだろうか。「はい。開いてますよー。」「良かった。この水とおにぎりを下さい。」「はい。270円です。」「ビットコイン支払いでお願いします。」
「・・・は?」「・・・え?ああ、日本ならモナコインのほうがいいですか?」
「・・・は?いや、270円で。」(しまった・・・。暗号通貨しか持ってないや・・。btcやモナなら大量にあるのに。大失敗だ。)「じゃあ、すいません。やっぱり大丈夫です。」買い物が出来なかった私は、店の前のベンチに腰を下ろした。喉が渇いた。やっとの思いで店まで来たのに水が買えない。お金はたくさん持っているのに暗号通貨はこの時代ではまだ浸透していない。2025年はどんな場所でも仮想通貨払いが主流なのでうっかりしていた。放心して空を仰ぐときれいな富士山が見える。ただ、心は逆に青天の霹靂(せいてんのへきれき)。
「おじさん、はい。どうぞ。」お店の子はお盆にお茶とおにぎりを乗せて私に差し出す。お茶はコップに、おにぎりは商品のものではない手作りのものだった。
「え?でも・・・円はもってないから・・・。」
「これ、商品じゃなくてうちのだから大丈夫。食べて。おにぎりは私が今作ったやつ。中は鮭ね。で、びっとこいんとか、もなこいんって何?(笑)」女の子は茶化しているのか、半笑いで聞いてきた。
「うーん。分かりやすく言うと未来のお金かなあ。私は未来から来たからね。」私は喉の渇きと空腹に負けてすでにお盆を受け取っていた。
「ハハハ。おじさん未来人なの?ウケるね。いつから来たの?」「ん?2025年だよ。」
「チョイ先じゃん。10年後かー、もっと先から来てくれたほうが良かったなー。5000年後とか。」
「いや、おじさんも神じゃないからねぇ、生年月日は選べないよ。」
「そうか。でも、面白いからいいや。未来のお金見せてよ。どんなのなの?」

66 :なのはな八段:2015/06/29 00:58:56 (1年前) +0MONA/0人

「ああいいよ。ちょっと待ってね。」そう言うと、さとなかもとしはポケットからタブレットを出してビットコインウォレットを開いて彼女に見せた。

「何これ?」
「ん?未来のお金。」
「おじさん、これどうやって払うのよ。」
「君のタブレット貸して。未来のお金送ってあげる。」
「え?!いいけどメールとか写メ見ないでよ。」
「大丈夫。ウォレット入れるだけだから。」さとなかもとしは、彼女からスマホを受け取るとウォレットを入れてそのアドレスにビットコインを送った。
「270ビットコイン送っといたよ。」「へー。良く分からないけど、お金はいいよ。お茶もおにぎりも商品じゃないから。」「君の優しさに対してのお礼。270円よりはこの時代でも価値があるよ。2025年とは比べ物にならないけど。」「良く分からないけどじゃあありがと。それでさ、10年後はどんな世界なの?」「うーん、今の2015年からすると随分と変わったかな。いろんなことがあったよ。日本の事でも世界規模でも。」「それって悪いこと?」「うーん、そういう出来事もあったよ。」「そうなんだ。はぁー、なんかやだなぁ。」さとなかもとしは、言ってしまった事で若者の未来を暗くしてしまったのを後悔した。「うーん、でもね、人の優しさは今と変わらないから大丈夫だよ。君は幸せになる。」「ほんと?嬉しい。」「うん。君は優しいから大丈夫。お茶とおにぎりありがとう。これからもう少し都会に向かうよ。」「ここの道を20分くらい歩くと駅があるよ。あ、でもおじさん、お金ないでしょ。ちょっと待ってて。」そういうと店に戻って又出てきた。「はい。これ持って行って。1000円。」「いや、それは悪いよ。」「大丈夫、今日のお手伝い料は3000円だから1000円くらい痛くない。」「ありがとう。じゃあ、アドバイスなんだけど、さっき送った270ビットコインだけど、少しづつ取引所で両替していくといい。これから天文学的な増え方をするから。」「あー、はいはい、忘れてなければそうするわ。取引所とか両替とか意味わかんないけど。おじさん、お腹すいたら又来てもいいよ。」「ああ、ありがとう。又お話しよう。」「じゃあね。」「ああ、又ね。」

終わり

67 :なのはな八段:2015/06/29 02:41:11 (1年前) +0MONA/0人

もしかしたらこの後の続編も書けそう。時間が出来たら構想だけ練っておこう。
ブロックチェーンタイムトラベラーさとなかもとし2ww
イメージは男はつらいよの寅さんです。

68 :とと四段:2015/07/02 09:35:43 (1年前) +2MONA/2人

「いつもの平日とバカ兄弟」

目覚ましの音って起きにくいよね。
なんて言い訳を口に出すわけでもなく遅めの朝食を口に運ぶ。

食卓には僕の茶碗以外にもう一つの茶碗が置いてあった。まだ今日は使われてないっぽい。
寝坊助の僕以上に寝坊助の年の違わない兄の茶碗だ。

朝食を食べ終わると自分の部屋…もとい、男部屋に戻る。兄がまだ布団で寝ている。
まあそのうち起きるだろうと無視して自分の食器を洗う。

69 :とと四段:2015/07/02 09:36:05 (1年前) +0MONA/0人


リビングでスマホでツイッターや掲示板を漁ってから、ふと気になって部屋に戻ってみる。
…案の定まだ寝ていた。頰をぷにぷにしてみるが返事なし。
目覚ましも効かない。どうすれば起こせるか…。

「…お兄ちゃんの寝坊助(小声」

耳元で囁いてもピクリともしない。わかったのはアニメの起こし方は当てにならないってことだった。

起こすのを諦めてパソコンをつける。そのうち起きるだろうけど、起こし方でも調べてみるかな。
バカだけど、同じ部屋の兄ちゃんのためだから、ね

70 :とと四段:2015/07/02 09:36:57 (1年前) +0MONA/0人

実話をボンドで接着してSSにしてみたw

なんかいろいろ作るの楽しい!

71 :iNAO五段:2015/07/13 23:57:04 (1年前) +1MONA/1人

【蝉】
 うだるような夏の日、一匹の蝉を捕まえた。生まれて初めてのことだった。
 あまりの嬉しさに篭に入れて観察をする。寝転がっているところを母に笑われた。
 しばらくそうしていると、兄が現れた。見るからに不機嫌だった。
 兄は私を見るなり、篭を奪うと、中から蝉を取り出し、翅を毟り、脚を毟り、最後には腹を潰した。一通り蝉を破壊すると満足したのか兄は地下の自室に戻る。
 私は蝉だったものを丁寧に庭に埋葬してやる。もしかしたらまだ生きていたのかもしれないが、どうせ死ぬからには手厚く葬ってやってほうが良いと思ったのだ。
「可哀そうに。私に捕えられたばっかりに」そう言う私は涙を流していた。何もできなかった自分が情けなかったのか、それとも蝉の死に悲しんでいたのかはわからない。
 上から土を掛ける時、蝉が唸るように一鳴きした――気がした。腹も翅もない蝉が鳴くはずはない。きっと他の蝉の鳴き声と錯覚したのだ。
 兄は浪人だった。今年で七年目になる。その日の夕食時に父は兄を蝉に例えた。曰く「七年土の下にいても空を飛ぶときは来る」とのことだった。
 兄は昼間のことを思い出したのか、ただ押し黙ってその言葉を聞いていた。虫が好かなかったのだろうが、父の前でそれを出すわけにもいかなかったのだろう。
 翌日、兄は死んだ。転落死だった。兄の部屋である地下室と地上との境目にある階段を踏み外して死んだという。
 葬儀の日。兄の躰が火葬場で焼かれることになった。棺に入った兄が焼かれ始めると、蝉の鳴き声がどこかから聞こえた。聞き間違えようもなく、あの時、土を掛けるときに聞こえた鳴き声だ。
 火葬が終わり、棺が取り出され、蓋が開かれる。その中に兄の骨はなく、バラバラになった蝉の死骸だけが残っていた。

 ホラー風味。でもSSトピは怖いところじゃないよ! 新規参入キャンペーンとかやってるよ!

72 :puru七段:2015/07/21 18:00:27 (1年前) +0MONA/0人

お知らせと問い合わせ失礼します。

現在、短歌トピ(もな歌)公式サイトを構築中です。
みんなの投稿作品が過去ログに埋もれてしまうのももったいないですし、公式サイトに見やすく展示してあるとAskMona以外からの閲覧者も見込めるかも知れないので、公式サイトには過去からの全作品をギャラリーとして展示予定です。
AskMona投稿の「投稿者名」には各AskMonaプロフィールページへのリンク、「←送る」には各投稿作品(作者)の「MONAを送る」ページへのリンクが記載されていますが、これらも展示作品には挿入しますので、短歌トピ公式サイト経由での更なる投げMONAが期待できるかも知れません。

そこで、このSSトピ全作品も短歌トピ姉妹トピとして公式サイトに掲載したく思い、トピ主ボウメさんに打診したところ了解してもらえました。
一応ボウメさんの了承は得ていますが、投稿者の皆さんの意見も聞きたいと思いました。
もし反対の方がいらっしゃればその旨お知らせください。
よろしくお願いします。

73 :puru七段:2015/07/21 18:01:27 (1年前) +0MONA/0人

>>10>>11)、>>19>>53、の名無し六段さんに質問です。

これらの投稿は転載またはコピペとありますが、名無し六段さん本人の著作の転載でしょうか。
もし他人の著作の無断転載だとすれば著作権侵害になってしまいます。
短歌トピ公式サイト掲載を考慮した場合、著作権侵害している投稿は掲載出来ません。

短歌トピ公式サイト掲載のみならず、これらの投稿が疑念の余地なくこのトピに存在するためにも、名無し六段さん本人がいつどこに発表したものの転載なのか(他者著作の場合はどこの誰の著作に関して転載許諾を得たか)是非ともお知らせください。
大変失礼な質問になってしまいましたが、何卒よろしくお願いします。

74 :puru七段:2015/07/29 17:16:59 (1年前) +0.39114114MONA/2人

>>72
短歌トピ(もな歌)公式サイトへのSSトピ投稿作品掲載に反対意見がないようですので、現時点までの作品の掲載を完了しました。
何分原始的な手作業で進めているので、妙な間違いがあるかも知れません。
もし間違い等を発見したら是非ともお知らせ下さい。

http://monauta.web.fc2.com/ssTopic01.htm

なお、>>10>>11)、>>19>>53、に関しては掲載を見合わせています。

75 :名前をください。五段:2015/09/09 12:50:49 (1年前) +2.00114114MONA/3人

「わたしを忘れないで」

唐突な話であるが、人類文明は滅亡の危機に瀕していた。
それは、穏やかな日の夕方のことであった。誰もがいつもどおりの今日を終えようとしていた頃、「それ」が空の向こう側から飛来したのだ。
「それ」は人類文明が観測したことのない大きさをした生命体であった。しかし、その大きさから初めは誰もがそれを生命体だとは思わなかった。
だが、そんな人類文明を驚かせようと意気込むように「それ」は活動を始めた。
そこからはよくある話である。凡ゆる兵器は「それ」を倒せず、「それ」が放つ凡ゆる光が人類文明が生み出した諸々の多くを壊滅させた。
無慈悲に、そして理不尽に人類文明を蹂躙する「それ」に、人々はただ恐怖と惨めな命乞いをするのみであった。

「それ」が活動を開始してから数ヵ月後、突然「それ」は活動を静止し、何らかの力によって人類に「言葉」を発したかと思うと、何事もなかったかのように空の向こう側へと飛び去っていった。
そして、多くの文明の活動器官を破壊された人類文明であったが、辛うじて生き残ることとなった。
その記憶の多くに「それ」の恐怖と「それ」が残した不可解な「言葉」を深く刻み込みながら。

76 :luna三段:2015/09/10 00:12:41 (1年前) +0MONA/0人

友達に勧められてはじめました
コイン恵んでください

77 :iNAO五段:2015/09/10 00:38:17 (1年前) +2.14114MONA/2人

A「Bちゃん、ここは?」
B「Ask MonaのSSトピね。ショートショートを書いて、モナを貰うトピックよ」
A「へえ、そうなんだ!」
B「しかも今なら、先着五名に1モナをプレゼントしているの。詳細は>>62>>63を参照してね」
A「ふむふむ……あれ、もう三つも作品があるよ?」
B「ええ。つまり、あと二つ、SSが投稿されたらこの新規参入キャンペーンは終了ね」
A「それじゃあ急いで書かなきゃ! えーと……うーんと」
B「そんなに焦らなくても大丈夫。……このトピに人が来ることは滅多にないから」
A「それ、言ってて悲しくならない……?」

ということで、ここは何かしら作品を書いた人にモナを投げるトピです。
ショートショートなんて書けないという場合は、こちらのトピなどいかがでしょう?
http://askmona.org/3196
短歌を詠むとモナが貰えるので、ショートショートよりは手軽だと思いますよ。

78 :ボウメ六段:2015/09/10 00:53:16 (1年前) +0.39MONA/1人

>>76
lunaさん、すみませんが>>1>>2>>3をご覧いただけると幸いです。

このトピックは基本的に創作に対する対価としてモナを投げるスタンスです。

基本的に完成度は問いませんので普段何気なく感じていることなどをテーマにしても構いませんので是非書いてみてください。
難しそうなら>>77でも出ましたが、短歌を詠むだけでモナが貰えるトピックもあります。

79 :名前をください。五段:2015/09/14 23:19:43 (1年前) +2MONA/2人

「青い花の精霊」

昔々、仄暗く静かな森に名もない精霊が棲んでおりました。
精霊は深い青の艶やかな髪と水晶のような瞳を持ち、その姿を見たものは忽ち恋に落ちてしまうような美しさでした。

ある空がほんのり赤い日に、花を摘むためにやってきた人間の王がその姿を見てしまい、心を奪われてしまいました。
王は精霊に愛を伝え、どうか自分のことを好きになって欲しいと願います。
ですが、精霊は人間の愛を受け入れると、言葉を失い心と同じく身体も愛に縛られて、何もできない一輪の花になることを知っていました。
ですから、精霊は王の愛を拒絶しました。精霊は今の静かな生活を愛してしたのです。
なのに、王は毎日のように精霊の元に通うようになりました。
ある日は花を持って、ある日は美しい宝を持って、ある日は旅人から聞いた話を持って、精霊を喜ばせたい一心で通いつめていました。
そんな王に、いつの間にか精霊も心を開き、愛らしい笑顔を見せるようになっていました。

80 :名前をください。五段:2015/09/14 23:20:31 (1年前) +0.114MONA/1人

空が少し灰色がかった日を境に、王が精霊の元へこなくなりました。流離いの悪霊の呪いに罹ったのです。
人間たちの話を聴いてそのことを知った精霊は、森を抜け出して王の元へ向かいました。
精霊が駆けつけた時には、今にも命を失いそうなほど弱々しい息遣いで横になる王の姿がありました。
傍に駆け寄ると、王がこちらを向いて微笑みかけます。
精霊は王に訊ねました。

「あなたは、私の何を愛しているのですか。」

81 :名前をください。五段:2015/09/14 23:21:12 (1年前) +0.114MONA/1人

すると、王は答えました。

「最初は、その深く青い髪を好きになりました。」
「次に、あなたの笑顔と、あなたの心を好きになりました。」
「そして、あなたの見る景色と、あなたの笑顔を好きになりました。」
「最後に、あなたを好きになりました。他でもない、あなたを愛しています。」

精霊は、その髪と対照的に顔を赤らめると、王の髪に触れて言いました。

「あなたは、私を愛してくれなくなるかもしれません。でも、私はあなたを愛します。」
「ずっとずっと、いつまでも。」

そして、王にそっと口づけをしました。
それはあらゆる呪いを解く祝福であり、精霊の確かな愛の証でした。

82 :名前をください。五段:2015/09/14 23:22:13 (1年前) +0.114MONA/1人

こうして、王の呪いは解かれ元気を取り戻してゆきました。
しかし、いつまでも妻子を持つことをせず、ついには養子を迎えて次の王としたのでした。
そうして、その人生の終わりまで仄暗く静かな森で暮らしたとのことです。

その王の傍には、いつも一輪の青い花が咲いていましたとさ。

83 :名前をください。五段:2015/09/15 01:14:44 (1年前) +2MONA/2人

「進化促進者」

遥か昔の地球に植物系知性体が降り立ち、繁殖していた時期があった。
彼らは自分たちを宇宙の大いなる意思が生み出した生命進化を促進させる偉大なる使命を持っているという信仰を持っており、今までも数々の星で生命進化の促進を成し遂げてきたのである。
その生命進化が促進された星の末路は棚に上げとくとして、ともかく彼らは地球においても、他の星と同じように使命に従って生命進化の促進を行っていたが、何らかの要因によって滅びてしまった。
今ではその死骸は黒い液体として地下から採掘され、エネルギー資源として利用されているのは有名な話である。
あるものは言う、彼らは滅びたのではなく、これこそが彼らの進化促進の最終段階であると。
またあるものは言う、私たちが私たち以外の知性体に出会わないのは彼らの進化促進の賜物ではないのか?と。

84 :名前をください。五段:2015/09/16 07:14:33 (1年前) +0.6761MONA/3人

「人間の定義」

みなさんはかの有名なロボット三原則をご存知であろうか?
ロボット三原則とは、あるSF小説家が考え出したロボットの根源的な行動基準のことである。
内容はとてもシンプルで、そして一貫している。要約すると、「人間のために働き、人間のためだけに死ね。」というものだ。
ところで、彼の描いたある小説に出てくる陽電子頭脳を備えたロボットたちは何処か間が抜けてて人間味がある。
三原則の三つの軸の間で揺れ動き、時には酔っ払ったように喜歌劇の歌詞を発信したり、時には対応に困るとあわあわと”指”をこねくり回してみたり、時にはただの発電機を絶対なる創造神だと信じ込んだりしていた。

85 :名前をください。五段:2015/09/16 07:17:03 (1年前) +0.17210114MONA/2人

しかし、私たちの世界のロボットはそんなにお茶目さんではなかった。
今現在の人類、つまり私たちの棲息域は、かつての半分以下にまで減少していた。
空には金属の皮膚を有する鳥が跳梁跋扈し、地上の何もかもを焼き尽くし、そしてその焼け野原の上を金属の象が踏みしだき、焼けぞこないの人間たちを弾き殺している。
どうしてこんなことになったのか?事の発端は量子頭脳のプログラマーの一人にあったと言えよう。彼は少し夢見がちで少し人間のことを勘違いしていた。
私たちの世界のロボットにもロボット三原則が備え付けられるとこととなったのだが、そのためには色々と下準備をする必要があった。
その一つに、「人間の定義」があった。りんごがどういうものかを知らずにりんごの絵を描ける者がいないように、人間がどういうものであるかを知らずに人間のためだけに死ぬのはロボットたちには不可能だったからだ。
そこで、「人間の定義」をプログラミングすることとなったのだが、顔認識を使ってある基準に達せば人間であるとすれば良いところを、何を思ったのかそのプログラマーは英雄的な人物像をその定義に当てはめてしまった。
そうしてそのような基準を量子頭脳に刻み込んだ結果、ロボットたちはある答えを導き出したのであった。
そこからのことは言うまでもあるまい。

86 :ボウメ六段:2015/09/17 00:52:51 (1年前) +1MONA/1人

>>83の投稿を持ちまして投稿作品が5作品に達しました。ありがとうございます。
ここからはまた通常に戻します。

投げモナは少し少なくなりますが、皆さんの書き込みをお待ちしています。

87 :iNAO五段:2015/09/17 19:46:44 (1年前) +1.14114MONA/1人

私は>>62で五人分と宣言しているので個人的キャンペーンは継続中です。
現在、>>64 >>68 >>75で三人、まだ二人分枠は残っているので、お気軽にどうぞ!

88 :名無し六段:2015/09/18 08:19:01 (1年前) +0.604MONA/2人

───アタシの名前はアイ。心に傷を負った女子高生。モテカワスリムで恋愛体質の愛されガール♪
アタシがつるんでる友達は援助交際をやってるミキ、学校にナイショで
キャバクラで働いてるユウカ。訳あって不良グループの一員になってるアキナ。
 友達がいてもやっぱり学校はタイクツ。今日もミキとちょっとしたことで口喧嘩になった。
女のコ同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるよね☆そんな時アタシは一人で繁華街を歩くことにしている。
がんばった自分へのご褒美ってやつ?自分らしさの演出とも言うかな!
 「あームカツク」・・。そんなことをつぶやきながらしつこいキャッチを軽くあしらう。
 「カノジョー、ちょっと話聞いてくれない?」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。

89 :名無し六段:2015/09/18 08:19:10 (1年前) +0MONA/0人


キャッチの男はカッコイイけどなんか薄っぺらくてキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しい。
 「すいません・・。」・・・またか、とセレブなアタシは思った。シカトするつもりだったけど、
チラっとキャッチの男の顔を見た。
「・・!!」
 ・・・チガウ・・・今までの男とはなにかが決定的に違う。
スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを 駆け巡った・・。
「・・(カッコイイ・・!!・・これって運命・・?)」
 男はホストだった。連れていかれてレイプされた。「キャーやめて!」ドラッグをきめた。
「ガッシボカッ!」アタシは死んだ(笑)

90 :iNAO五段:2015/09/18 17:48:12 (1年前) +0MONA/0人

>>88
久しぶりにこのコピペ見ました。
最後にスイーツ(笑)ってあったバージョンとかありましたね。

91 :ボウメ六段:2015/09/18 17:58:54 (1年前) +0MONA/0人

>>90
あら、コピペでしたか。急いでて確認し忘れました。

>>88
ID2492の名無しさんへ、コピペ等は事前に宣言して頂けると幸いです。
私はこの世の全ての文章を知っているわけでは無いので、宣言して頂かないと分からない場合が多いです。

著作権等のトラブルは避けたいのでどうかご理解下さい。

92 :名前をください。五段:2015/09/22 06:32:10 (1年前) +0.618MONA/2人

「なまえのないかいぶつ」

私は名前のない怪物、この通り、名前はない。
私に名前が無いのは当たり前のことだ。だって、人々には私の姿は見えないし、人々は私に触れないのだから。
それだけじゃない。私は何者にも触ることができない。
美しい花を撫でることも、憎い悪鬼を成敗することも、その手でこの眼を潰すことさえできない。
私はただここにいるだけ。こことは何処でものことであり、つまり私は何処にでもいるだけの存在だ。
いつからいるだけなのかは覚えていない。気がついたらいるだけだった気がするし、何かきっかけがあったような気もする。
遠い昔に、寂しかったような覚えがあるが、それも気のせいだったかもしれない。

93 :名前をください。五段:2015/09/22 06:32:29 (1年前) +0.114MONA/1人

私は世界を眺めるのが好きだ。というか、それ以外何もすることがない。だから好きになることにした。
世界は色々な影で組み立てられている。そしてそんな鮮やかな影は様々に形を変えて、私を飽きさせることはない。
耳をすませば音が聞こえる。ただの空気の震えのはずなのに、驚くほどに音は私の心を共振させる。
この世界は素晴らしい。素晴らしいが、それだけだ。
私の心は冷め切っていた。だから、影や音で容易く熱せられる。
でも、熱を維持することはできない、すぐに冷め切ってしまうのだ。
私はからっぽだった。この身体が世界に触れられないように、この心もまた、透過する世界の瞬きしか捉えられない。
どれだけ瞬きで満たそうとも、いつもどこかの瞬間で、私はからっぽだった。

94 :名前をください。五段:2015/09/22 06:33:12 (1年前) +0.114MONA/1人

私は人間が好きだった。彼らはいつも騒ぎを起こし、私に様々な瞬きをくれた。
自分を怪物だと思い始めたのも人間の影響だった。
私は自分の姿を見たことはないが、人間の条理には反していると思ったし、それに私のような存在を私は見たことがなかったからである。
彼らを見ているのは飽きなかった。だから、人間がたくさん増えてから、私は人間を眺める時間がとても長くなった。
そんな彼らの中に、私を指差してこう言ったものがいた。
「怪物だ!ここに怪物がいる!!」
私はとても驚いた。私はいままで誰かに指を指されたことはなかったし、誰かに姿を見られたこともなかったからだ・
最初は後ろを振り向いて、誰かいるんじゃないかと疑ったりもしたが、誰もいなかった。
私はとても嬉しくなった。なんで嬉しいのかもわからないぐらい嬉しくてたまらなかった。
私は彼に話しかけた、とてもとてもたくさん話しかけたが、彼は何も返さずにただ部屋の隅で震えていた。
残念なことに、彼には私の声は聞こえていないらしい。だけど、私の姿を見てくれるだけでも私は嬉しかったので、私は大いに彼に見てもらうことにした。

95 :名前をください。五段:2015/09/22 06:33:32 (1年前) +0.114MONA/1人

彼が部屋の隅で震え始めてから三日が経った。人間を見続けて長い私は彼がおかしいことに気づいていたが、どうしようもなかった。
だって、私は彼に触れることもできないし、彼に話を聞いてもらうこともできないんだから。
ただ、彼が寂しくないように傍にいた。ただ傍にいた。
すると、彼の部屋のドアを、数人の人間がけたたましく開けて、彼を怒鳴りつけた。
どうやら、彼は仕事も休んでひたすら部屋の隅で震えていたらしい。
人間の一人が彼の腕を掴むと、涙と恐怖でぐしゃぐしゃになった彼の顔が見えた。とても怖がっている。
彼が叫ぶ。
「ここに怪物がいるんだ!この部屋に怪物がいるんだ!!」
するとまた、人間が彼に怒鳴った。
「だから再発する前に診察に行けといったんだ!」
人間たちの話を聞いていると、彼が病気なんだということがわかった。
明瞭な幻覚を見て、怯えてしまう病気。人間たちの話から考えると、そんな病気のようだ。
私は少し悪いことをしたのではないかと不安に思っていたが、私は何も関係ないらしい。
心にあったものが、抜け落ちた気がした。

96 :名前をください。五段:2015/09/22 06:33:55 (1年前) +0.114MONA/1人

そして、そこで初めて私は瞬きでないものが心にあったのだと自覚した。そして、それがあった間、私は寂しくなかったのだと理解したのだ。
故に、ずっとずっと、私は独りで寂しかったということが、やっとわかった。
心がからっぽなことが、冷め切っていることが寂しさなのだと、理解することができた。
ふらりと、私は彼の部屋を出て行く。前と同じ状態に戻っただけ、というよりも、最初から何も変わっていないのに、私はとても寒い気がした。
私の心がこれほどまでに繊細だったことを知った私は、空を見上げる。
かつて私がそうであったように、この記憶もまた、時とともに風化していくのだろうか。
それはきっと、救いとなるのかもしれないが、何処か、悲しい気もする。
人間を見て、私の心はとても揺れ動いている。このことを大切にしたい。このことを忘れたくない。
そう願いながら、閉じることのできないこの眼で、私は空を見上げ続けた。
私は怪物、名前のない怪物。いつか、誰かに名前を付けて欲しい。そんな怪物。

97 :名前をください。五段:2015/09/22 06:35:14 (1年前) +0.114MONA/1人

「それにしても、前に発病したときは怪物から逃げ回ってて随分と探したのに、今回はなんで部屋に閉じこもってたんだ?」
「誰かが、傍にいてくれた気がしたんだ…。だから、部屋にいれば、安全だと、思ったんだ…。」
「誰かって?」
「わからない…。透明で…見えなくて、触れれない…何か…。」
「重症だな。」
「…どことなく優しい何かが、いてくれた気がしたんだ…。」

98 :名前をください。五段:2015/09/22 06:36:09 (1年前) +0MONA/0人

結構長くなりました。すみません。

99 :iNAO五段:2015/09/23 00:34:51 (1年前) +1.74514MONA/3人

【秋に笑む】
 秋の夕暮時、河原沿いの土手を歩くT氏の目の前を、オニヤンマが通り抜ける。思わず背を仰け反らせたが、既に姿は遠い。
 T氏が目で追うと、オレンジ色の空を背に緑色の体がよく目立っていた。翅を震わせて飛ぶ姿にT氏は見とれる。
 やがてオニヤンマは河原に生えているススキの一本に止まった。T氏はゆっくりとそこに近づく。
 彼が右手の人差し指をオニヤンマに向けると、それは頭を少し傾けた。警戒されていないことを確信し、指を回転させる。その動きに合わせてオニヤンマの頭が左右に傾いた。
 そしてT氏は左手をオニヤンマの体に近づける。
 だが、翅に触れようかというところでオニヤンマは飛び去ってしまった。指は代わりにススキの穂を掴んでいる。
 見回すと、オニヤンマは彼の周囲を旋回していた。そして彼がその姿を捉えたのを確認したかと思うと空中で横に回転し、天に腹を向けながら落下する。
 T氏が目を瞬かせる間にオニヤンマは再び姿勢を戻し、弧を描いて夕日を背に飛び去って行った。
 それを見届けた彼は、照れ隠しに頭を掻いて土手を上る。なんとなく、あのオニヤンマに笑われた気がしたのだ。

100 :iNAO五段:2016/09/24 10:14:15 +3.69114MONA/2人

【秋を笑む】
 河原沿いの土手をT氏は歩いていた。
 時は夕暮れ。手に持ったススキの穂を弄りながら、視線は夕焼けの中に何かを探して動いている。
 不意に、T氏の背後から羽音が抜けて行った。その方向を彼は見る。
 それは一匹のオニヤンマだった。見失わないように注意しながら、T氏は歩く速度を上げた。
 やがてオニヤンマは河原に生えているススキの一本に止まった。T氏は土手を下りてそこに近づく。去年よりも大きいなと彼は思った。
 彼が右手の人差し指をオニヤンマに向けると、それは頭を少し傾けた。しかし、すぐに翅を震わせて飛ぶ。警戒されている。
 視界から消えたオニヤンマを彼はすぐに見つける。羽音と、赤い空に映える緑の体躯は見失いようがなかった。
 オニヤンマはT氏の周囲をゆっくりと旋回している。そして彼の目の前に現れたかと思うとその顔面に向かって飛来した。
 T氏が瞬く間もなくオニヤンマは彼の目の前でとんぼ返りする。そして、夕暮れの空を背景に飛び去っていった。
 それを見届けた彼は、頭を掻いて土手を上る。その顔には笑みが浮かんでいた。なんとなく、あの時のオニヤンマに再会できた気がしたからだ。

101 :名無し三段:2016/09/29 21:38:43 +0MONA/0人

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